こんにちは、パレイド技術部です。
前回記事で Anima Base v1.0 を M5 MacBook Air 32GB で動かし、高画質な生成が可能な一方で、warm キャッシュ後でも 1 枚 11-16 分かかることを記録しました。今回はその上に Anima Turbo LoRA v0.1 を被せてみます。
Turbo LoRA は CircleStone Labs が Civitai で別途配布している派生 LoRA で、CFG 1 / 8-12 step という攻めた推奨設定で生成時間を短縮するためのものです。
ComfyUI 0.22.0 (Mac 版) 上で、Base 走と同じ seed・同じプロンプト・同じ解像度のまま、サンプラーと step 数だけを推奨レンジに合わせて 4 走させました。本記事はその実装ログとベンチログです。
本記事はローカル LLM による自動執筆パイプラインで生成されました。現段階ではクラウド AI(Claude 等)の補助や人間の編集が介在していますが、pareido.jp では最終的に AI が自律的にコンテンツを制作できる仕組みの構築を目指しています。
Turbo LoRA v0.1 の素性 — Civitai 配布、Preview3 で学習、142 MB
Anima Turbo LoRA v0.1 は、CircleStone Labs が Civitai (id 2560840) で配布している派生 LoRA です。HF 側の circlestone-labs/Anima には 2026-05 時点で “Coming soon” とだけ書かれていて、配布チャネルは現状 Civitai のみになっています。
ファイル内容と推奨設定は次の通りです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ファイル名 | anima-turbo-lora-v0.1.safetensors |
| サイズ | 142 MB |
| SHA256 | 68ED0AEC6FF4EBC3ADD1180E191797ADB5AA6B69DD8B0FC8AA9E680145F65AAC |
| 配置先 (ComfyUI) | models/loras/ |
| 公開日 | 2026-04-20 (Anima Base v1.0 リリースの約 1 か月前) |
| 訓練ベース | Anima Preview3 |
| 互換性 | Civitai の README で「他の Anima checkpoint にも汎用に効く」と明記 |
| 推奨設定 | CFG 1 / 8〜12 step / strength 1.0 (variety を増やすなら strength を下げる) |
訓練ベースが Preview3 であって v1.0 ではない点は、Turbo を v1.0 の上で動かす際に頭に置いておく値です。Civitai の README は「他の Anima checkpoint にも汎用に効く」と明記していて、本記事の 4 走もその主張に沿っています。LoRA としては小さい部類 (142 MB) で、ComfyUI の models/loras/ に投げ込むだけで読み込めます。
CFG 1 という設定は、通常の拡散モデルで使う CFG 4〜7 帯から見ればかなり攻めた値です。Turbo LoRA は CFG をほぼ効かせない前提でステップ数を縮める設計で、結果として guidance に頼らない分、プロンプトの解釈が Base のサンプラー差で見えた「解釈枝」よりさらに広く揺れる傾向があります。これは後段のベンチで具体的に出てきます。
ライセンス — 生成画像は商用利用も可能
Turbo LoRA は CircleStone Model の派生 (LoRA) として、本体と同じライセンス構造となります。本体については、前回記事でも触れています。
| 対象 | 商用利用 | 根拠条項 |
|---|---|---|
Turbo LoRA の重み (anima-turbo-lora-v0.1.safetensors) | × 非商用 only | 原文 §1(a) で Derivative、§2(b) で NC 適用 |
| Turbo LoRA を被せた状態でのモデル運用 | × 非商用 only | 同上 (商用 API ホスト等は不可) |
| Turbo LoRA を被せて生成した画像 (Outputs) | ○ 商用可 | 原文 §2(d) “for any purpose (including for commercial purposes)” |
| 唯一の例外 | × Output を競合 CircleStone Model の訓練に流用 | §2(d) 末尾 |
Turbo LoRA そのもの (重みファイル) を再配布したり、Turbo を組み込んだ状態の商用 API としてホストすることはできません。Turbo LoRAで生成した画像は商用利用可能です。
実装手順 — LoraLoaderModelOnly ノードを 1 つ挟む
ComfyUI のワークフローへの組み込みは、Base 走の構成に LoraLoaderModelOnly ノードを 1 つ挟むだけで済みます。Base 走のワークフロー (姉妹記事の experiments/anima_bench/workflows/base_v10_*.json) に対して、UNet を KSampler に渡す経路の途中に LoraLoaderModelOnly を割り込ませる形です。
UNETLoader (anima-base-v1.0.safetensors)
↓
LoraLoaderModelOnly (anima-turbo-lora-v0.1.safetensors, strength_model=1.0)
↓
KSampler (cfg=1, steps=8, sampler_name=er_sde, scheduler=simple)
Base 走からの変更点を表に並べます。
| 変更項目 | Base (Tier A) | Turbo (Tier T) |
|---|---|---|
| LoraLoaderModelOnly ノード | なし | あり (strength 1.0) |
| CFG | 4 | 1 |
| step 数 | 30 | 8 または 12 |
| sampler | dpmpp_2m_sde_gpu / er_sde / euler_a | er_sde / euler_a (Turbo 推奨レンジに合わせる) |
| scheduler | simple | simple (変更なし) |
| seed | 875817230929465 | 875817230929465 (Base と同値で固定) |
| 解像度 | 1024×1024 | 1024×1024 (変更なし) |
CFG と step 数は推奨レンジに合わせ、それ以外は Base と同じ条件で揃えています。LoraLoaderModelOnly の strength は 1.0 のままにしました — Civitai の README が strength 1.0 を起点に推奨しており、variety を増やしたい場合に下げる、という運用です。
ベンチマーク
連続 4 走 の実測値です。最初の生成はモデルのロード時間を含んでいます。
| 順 | workflow | sampler | step | cfg | duration | 出力の構図 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | turbo_v01_anime_er_sde_12step | er_sde | 12 | 1 | 135.1 s (2 分 15 秒) | アニメ調、セーラー服の少女がデスクでモニタに向かう、彩度高め | ○ |
| 2 | turbo_v01_anime_er_sde_8step | er_sde | 8 | 1 | 105.1 s (1 分 45 秒) | T1 とほぼ同構図、画面テキストや小物が微妙に違う程度 | ○ |
| 3 | turbo_v01_anime_euler_a_8step | euler_ancestral | 8 | 1 | 120.1 s (2 分 00 秒) | er_sde と類似構図だが背景がやや甘く、線がソフト | ○ |
| 4 | turbo_v01_nonanime_er_sde_8step | er_sde | 8 | 1 | 135.2 s (2 分 15 秒) | 渦巻き模様の球体を人の手が抱える、モノクロのインク画調 / mandala 風 | ○ |
結論先出し — Mac で 2 分弱、画質は実用だが淡白
まずは Tier T 4 走で見えた事実を表で置きます。Base 走 (Tier A) で 11-16 分かかっていたところが、同じ Air で 2 分弱まで縮みました。step 12 と 8 の差は微小で、推奨レンジ 8-12 のうち 8 step で十分読めます。一方で、同 seed でも Base とはかなり違う生成結果になります。
| 項目 | 判定 |
|---|---|
| M5 MacBook Air 32GB での起動 (Base 走 + Turbo LoRA) | ○ (warm で 1 分 45 秒〜2 分 15 秒) |
| 推奨設定 (CFG 1 / 8-12 step / strength 1.0) の素直さ | ○ (Civitai の README 通りで動作) |
| 8 step と 12 step の差 | △ (微小、12 step は時間コストに見合わない) |
| 画質 (主作例 er_sde / 8 step) | ○ (実用域、線も色もピシッと出る) |
| 同 seed で Base と同構図になるか | × (Turbo を被せると別の解釈が多い) |
非アニメ系 (no anime style) への追従 | ○ (mandala 風 / インク調まで素直に振れる) |
| 連続走行のばらつき | △ (105〜135 s、環境要因と思われる) |
| 生成画像の商用利用 | ○ (Base と同じ §2(d) の射程内) |
「Air で 2 分弱、CFG 1 / 8 step で実用」が結論ですが、当然ながらベースと同じ画を 7 倍速で出せる、というわけではないことだけは押さえておく必要があります。出てくる画は別物と考え、速度が欲しい場合にTurbo を入れると良さそうです。
8 step で十分、12 step は時間コストに見合わない
T1 (12 step) と T2 (8 step) は同 sampler・同 seed・同プロンプトで step 数だけが違う対です。生成時間は 135.1 s → 105.1 s と 30 秒縮みますが、出力画像はほぼ同構図、画面に映るテキストや小物が微妙に違う程度の差にとどまります。8 step の主作例で画質的に不足を感じる箇所はなく、ここで 12 step に伸ばす積極的な理由は見つかりませんでした。Civitai の推奨レンジ 8〜12 step のうち、Air での運用は 8 step を起点にして、必要に応じて 12 step に振る、という使い方がよさそうです。
sampler の違いは Turbo でも効く
T2 (er_sde / 8 step) と T3 (euler_a / 8 step) は sampler だけが違う対です。出力は類似構図ですが、euler_a 側のほうが背景がやや甘く、線がソフトになりました。Base 走のアニメ系で er_sde と euler_a の間に観察された「同じ解釈枝の上での微調整」と同じ性質が、Turbo を被せた状態でも残っています。Turbo は Base のサンプラー差をすべて潰してしまうわけではなく、サンプラーの個性を保ったまま step 数とガイダンスを縮めるタイプの LoRA だと読めます。
no anime style指示は Turbo でも素直に通る
T4 (イラスト系 / er_sde / 8 step) では、Base と同じプロンプト (ポジに no anime style, art print quality、ネガに anime, manga) を投げました。出力は人の手が渦巻き模様の球体を抱える、モノクロのインク画調 / mandala 風で、アニメ要素はそぎ落とされた仕上がりになっています。非アニメ系の指示は Turbo を被せても素直に通る、という事実は記録しておけます。
連続走行の生成時間は 105.1〜135.2 秒の幅 (+29%) でばらつきました。Base 走で観測されたばらつき (660〜975 s、+48%) と比べると幅は狭まっていますが、同じ環境要因が Turbo 走でも残っていると扱えそうです。本記事では「環境要因と思われる」までで深掘りせずに置きます。
作例




次回はベースモデルと Turbo を比較検証
次回は「Base と Turbo で何がどう違うのか」「どちらをどの用途に当てるのか」をもう少し踏み込んでみます。