🎵 ChatGPTに聞きながら、ローカルAI音楽生成を1週間試した記録(2025年10月)
2025年10月時点で、ChatGPTに「ローカルで音楽を生成するには?」と質問し、その提案をもとにいくつかローカルAI作曲モデルを実際に試してみました。
この検証を通じて感じたことや各モデルの特徴、現状の課題についてレポートします。
今後も継続的に調査・更新していく予定です。
対象環境はApple silicon以降のmacOSを主とし、一部はWindowsおよびLinuxでも動作確認を行っています(詳細は各モデルの公式ドキュメントをご確認ください)。
提案の中にはRiffusionやMusicGPTといった名称が含まれていましたが、実際に触れてみるとRiffusionは現在メンテナンスが停止(更新されていません)で、MusicGPTは同名アプリが複数存在し混乱しやすく、今回の対象はMetaのMusicGen系をローカル実行するアプリでした。いずれも最新のトレンドと比べると少し以前のものとなります。
ローカルAI作曲モデルの全体像と検証対象
ChatGPTの回答では、ローカルで動作するAI音楽生成環境として複数の候補が挙げられました。何度かやりとりをして、以下の3モデルを検証の候補としました。
それぞれの体験を踏まえ、特徴や操作感を観察的にまとめます。
| モデル名 | 特徴 | 商用利用 | 対応OS |
|---|---|---|---|
| ACE-Step | 比較的安定して動作し、GPU対応で高速。 | 可 | Windows / macOS / Linux |
| MusicGPT | 軽量でセットアップが簡単だが、音質や構成は実験的。 | 要確認(アプリはMITでもモデルは非商用あり) | Windows / macOS / Linux |
| Riffusion | 音声を画像化して生成する独特の方式。メンテは停止中。 | 要確認(更新停止中/用途限定) | Windows / macOS / Linux |
なお実際は多数のサービス名を提案してくれますが、ローカルでないもの、実在しないもの(ハルシネーション)、既にサービスを終了しているものが多く混ざっていました。これらはChatGPT自身ではその問題の解消は難しいため、実際に検証してみて初めてその誤りに気がつくという繰り返しが必要でした。
ACE-Step:安定感と速度のバランスを感じたモデル
ACE-StepはPythonベースで、セットアップ後は完全にオフラインで動作します。
1週間程の使用で感じたのは、安定性や速度の面で比較的優れている点です。
今回検証した中では、比較的実用の可能性が高いものです。
体験から見えた特徴
- オープンソースかつ商用利用が可能で安心感があります
- GPU搭載環境での高速生成が実用的に感じられました
- テキストからメロディを生成する機能はまだ発展途上で、生成結果にはばらつきがあります
- 初回のモデル取得後はネット不要で運用できる点は利点です
全体として、「自分の環境でじっくり試す」用途には適していると感じました。
MusicGPT:軽快だが現状は技術実験の域
ChatGPTからの提案で試したMusicGPTは、インストールが比較的簡単で、すぐに起動できました。
実際に調べてみると、MusicGPTという名称のサービスが複数存在し、目的のものを特定するのに苦労しました。
今回試したものはMetaのMusicGen系統に属するモデルであり、音楽生成の仕組みも同系列のものです。
しかし、音質や楽曲構成はまだ実験的な印象が強く、実用には課題があると感じました。
体験を踏まえた観察
- MITライセンスで自由度は高いものの、生成結果のばらつきが目立ちます
- 音楽的な構造が乏しく、完成度は低めです
- 教育用途やプロトタイプ開発には向くものの、商用利用を考えると慎重な検討が必要かもしれません
全体として、軽量で試しやすい反面、あくまで実用性は限定的な印象です。
Riffusion:現在は動作させること自体が困難
RiffusionはStable Diffusionの技術を応用し、スペクトログラム(音の周波数分布を画像化したもの)を生成して、そこから音声に再変換する方式を採用しています。
2025年時点で公式リポジトリに「このプロジェクトは現在アクティブにメンテナンスされていません」と明記されており、環境構築に相当な苦労をしました。
コードレベルのデバッグや修正を行えば動かすことは可能ですが、音質や長さを含め実用性は限定的です。
使用感と観察
- 技術的な面白さは感じられますが、依存ライブラリの古さや環境整備の難しさが目立ちました
- 教材や研究向けの価値は残りますが、実用的な作曲ツールとしてはやや古い印象です
- カットオフの古い生成AIの提案に含まれることからも、情報の更新が追いついていない側面がうかがえます
提案の頻度が高いため、AI音楽の歴史的な一例として理解しつつ、最新の技術動向の把握が重要だと感じました。
クラウド型(Suno等)との比較
比較対象として、クラウド型のSunoも試しました。
こちらは登録後すぐにボーカル入り楽曲を数分で生成でき、品質や利便性の高さが印象的でした。
| 観点 | ローカル型 | クラウド型(Suno) |
|---|---|---|
| 導入 | やや複雑 | 登録だけで簡単 |
| 音質 | 実験段階 | 商用水準に近い |
| コスト | 無料(PC性能依存) | 無料枠あり(1日最大50クレジット/UTC基準) |
| プライバシー | 完全ローカル | クラウド依存 |
ローカルモデルは「自分で制御したい」ユーザー向け、クラウドは「手軽に高品質を得たい」ユーザー向けといった棲み分けがあるように感じました。
🎯 まとめと今後の展望
1週間の検証を通じて、ChatGPTの提案のみでローカルAI作曲を検証する良い部分と難しい部分がわかってきました。
初期の情報収集やToDo出しなど、迷わず進められる点は非常に大きなメリットです。
しかし実際に試してみるとセットアップの難易度にばらつきがあり、既に古くなった技術だったりと情報の鮮度を自分で確認する重要性を再認識しました。
特に、ChatGPTの知識カットオフ時点(2024年6月頃)以降の最新動向が反映されていないため、古い技術提案が混ざることがあります。
これは2025年10月時点でのGPT-5を主に用いた検証結果であり、今後の変化を追っていく必要があります。
生成AIのようなトレンドのテクノロジーについてChatGPTを活用する際は、常に最新情報を自分で確認し、実際に試すことが重要だと感じました。
現時点で、ローカル生成の音楽を動画素材に使うことを想定した場合、以下のような結論に至りました。
- 即戦力を求めるなら:有料でも、Sunoに代表されるクラウド型のサービスが品質・機能・難易度とも有力な選択肢です
- 実験や学習目的には:ACE-StepやMusicGen系が引き続き選択肢に入りますが、完成度には差があります
- 技術的な歴史や研究には:Riffusionのようなモデルも参考になりますが、環境構築の難しさには注意が必要です
ローカルAIは「自分で育てる楽しさ」があり、クラウドAIは「すぐに成果を得る手軽さ」があります。
どちらもAIと人間が共に音楽を紡ぐ未来の一端を担っていると考えます。
FAQ
Q1. ChatGPTの提案はどの程度信頼できる?
A. 基本的な情報は参考になりますが、最新技術は進化が早いため、実際に確認することが重要です。
Q2. ローカルAI作曲のメリットは?
A. 無料・ネット不要・プライバシー保護・自由度の高さが主な利点ですが、セットアップの難易度も考慮すべきです。
Q3. 音質はどの程度?
A. クラウド型に比べるとまだ実験的な段階のものが多いですが、用途によっては十分な可能性があります。
Q4. GPUがないとどうなる?
A. CPUでも動作しますが、生成速度はかなり遅くなるため、GPU搭載環境が望ましいです。
内部リンク・外部リンク案
- [内部リンク:musicgpt-local-intro]
- [内部リンク:riffusion-local-intro]
- [内部リンク:ace-step-intro]
- [内部リンク:suno-ai-intro]
- [外部リンク:ACE-Step公式GitHub]
- [外部リンク:MusicGPT(gabotechs)公式GitHub]
- [外部リンク:Suno公式サイト]
- [外部リンク:Meta AudioCraft(MusicGen)GitHub]
- [外部リンク:Riffusion公式GitHub(非メンテ表明)]


