Stable Diffusion SD.Next 導入ガイド(Windows/Mac)

AI画像

SD.Next は、Stable Diffusion を高速かつ効率的に動かすために再設計された、独立実装のWebUIです。

NVIDIA・AMD・Intel・Apple Silicon など複数のバックエンドに対応し、軽快な動作と高い拡張性を意識した構成が特徴です。 従来の WebUI と異なり、性能最適化と柔軟なカスタマイズ性を重視して設計されています。

本記事では Windows と macOSの導入方法を紹介します。

SD.Next とは

SD.Next は、Stable Diffusionを始めとした画像生成AIモデルを、より高速かつ扱いやすくするために設計されたWeb UI です。

標準機能としてLoRA の適用、ControlNet 系機能などが一通り含まれ、基本操作は外部拡張なしで完結できます。以前から人気のA1111系やForgeなど、一般的なWeb UIとは独立した実装で、内部処理の最適化やモジュール化が進められており、高機能かつ軽快な操作が特徴です。

またSD.Next の特徴として、NVIDIA・AMD・Intel・Apple Silicon(MPS)など幅広いプラットフォームをサポートしている点も挙げられます。

2025年11月末現在、最も更新が活発に行われているパッケージの1つで、最新の機能に触れたい人におすすめです。

vladmandic/sdnext: SD.Next: All-in-one WebUI for AI generative image and video creation SD.Next Documentation

Windows での導入(Stability Matrix 使用)

Windows 環境では、Stability Matrix 経由が最もおすすめの導入ルートです。 PythonやGitの事前構築が不要で、GUI操作のみでSD.Nextを追加できます。

導入は、Stability Matrix をインストールして起動後、パッケージ一覧からSD.Next を選択して追加し、完了後に起動してブラウザから WebUI にアクセスするだけです。

初回起動時は、GPU が正しく認識されているか確認しましょう。 Stability Matrix

公式Wiki でも、Stability Matrixの自動インストールにより torch がGPU非対応版になる可能性があると警告されています。その場合は手動インストールでの回避が必要になります。 https://github.com/vladmandic/sdnext/wiki/Stability-Matrix

macOS での導入(公式手順)

macOSでは、2025年11月現在ではStability Matrix経由のSD.Next導入はできないようです。
公式でもこの点の言及がありません。Macでは手動インストールが公式ルートとなります。
Install – SD.Next Documentation

SD.Nextの公式には macOS 向け注意事項が掲載されています。Python 3.10を使うこと、MacのデフォルトやHomebrewのPythonを使わないことが書かれています。
MacOS-Python – SD.Next Documentation

例としてasdfを使う手順が挙げられていますが、Python 3.10の環境が用意できればOKです。
他のツールの併用も考えればpyenvに慣れておくのもおすすめです。適宜、こちらもご参照ください。

基本の流れは次のとおりです。

git clone https://github.com/vladmandic/sdnext.git
cd sdnext
./webui.sh --debug

起動時に PyTorch (MPS 対応) が自動セットアップされ、数分後にローカルURLが表示されます。Apple Silicon 環境ではMPSによる高速化が有効になります。

起動後、ログで MPS が有効化されているか必ず確認しましょう。Device: mps と表示されない場合、CPU フォールバックで著しく遅くなります。

モデルの導入

起動確認後は、WebUI からモデルを直接ダウンロードするか、Civitai や Hugging Face で入手したチェックポイントを配置します。公式でも対応モデル一覧が公開されていますが、Web UIから手軽に導入が可能です。ファイルサイズが大きいためダウンロードとストレージ容量は注意しましょう。
Supported Models – SD.Next Documentation

結論

WindowsではStability MatrixによるSD.Next導入が手軽で、依存関係の解決や更新管理も自動化できます。MacではStability Matrix経由での提供がなく手動インストールが必要ですが、Python 3.10 の安定環境を整えれば運用が可能です。

報告されたトラブルの多くはGPU(CUDA等/MPS)関連で、初めに有効化を確認すれば安心して使えます。ただPyTorchの性質上、nVIDIA GPUが高速なため、長期的な運用にはより適した環境も検討の価値があります。

SD.NextはZLUDAにも対応するなど、多機能で更新頻度も高く、最新機能へのアクセスがその魅力。以前のWeb UI系で安定運用している方にも、一見の価値があります。

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