動画をオフラインで利用できる:yt-dlpの導入方法

基礎知識

yt-dlpは、YouTubeを含む多数の動画サイトに対応した高機能ダウンローダーです。
オフライン利用を前提に、最高画質の動画や、音声・字幕まで自由に保存できる点が魅力です。

ただしアプリストアでのダウンロードやインストーラ利用ができないため、GitHub・ターミナル操作・権限設定などやや複雑な知識が必要になります。

ここでは、yt-dlpを導入し、動画をダウンロードできるまでの手順を紹介します。

yt-dlpとは

yt-dlpは、YouTubeを含む多数の動画サイトに対応した高機能ダウンローダーです。
https://github.com/yt-dlp/yt-dlp

動画サイトのダウンローダーは他にも多数ありますが、yt-dlpは更新頻度が高く、動画サイトの仕様変更に追随しやすい点が強みです。

高画質動画・字幕・音声のみ抽出など多くの機能がありますが、ここでは導入手順をメインに紹介します。

導入方法

シンプルなのは、公式もオススメの単体実行ファイルをダウンロードして使う方法です。

GitHub – yt-dlp/yt-dlp: A feature-rich command-line audio/video downloader

ただしyt-dlpは動画サイトの仕様変更に追随するため、インストール後も頻繁にアップデートが必要となります。

単体実行ファイルにもアップデート機能があるのがytl-dlpの良いところですが、Macでは扱いが難しい場合があり、本記事では安定しやすいHomebewによる方式をおすすめしています。

Windowsでの導入

  1. GitHub Releases ページから yt-dlp.exe をダウンロードします。
  2. インストール先となる任意のフォルダを作成します。(例:C:\Tools\yt-dlp\)
  3. ダウンロードしたファイルをフォルダに移動します。
  4. 実行時には絶対パスを指定して使うか、フォルダを PATH に追加します。

コマンドラインやPowerShell等のターミナルから、 (ここではインストール先がPATHに追加されていると仮定)

$ yt-dlp --version

でバージョン表示がされれば導入が完了しています。

macOSでの導入

macでもyt-dlp単体の導入は可能ですが、セキュリティが複雑で、アップデートでトラブルが多いという報告があります。

そのため、macOSは Homebrew での導入がおすすめです。

$ brew install yt-dlp

すでにbrewを導入していれば、これだけでOKです。

Homebrewを使わない場合

brewを使わない場合は、GitHub Releasesから yt-dlp_macos を直接ダウンロードして任意のフォルダに配置し、実行権限を付与します。

$ chmod +x yt-dlp_macos

コマンドラインから実行します。

$ ./yt-dlp_macos --version

ファイル名は短く変更しておくと使いやすいでしょう。(例:yt-dlp)。

macOSではセキュリティ上、ダウンロードしたファイルの実行は設定が必要な場合があります。 必要に応じて、下記を参照ください。

更新方法

yt-dlpは動画サイトの仕様変更に対応するため、時々アップデートが必要になります。

Windowsの場合

実行ファイル起動時のオプションでアップデートが可能です。

$ yt-dlp -U

macOSの場合

Homebrew で導入した場合は下記でアップデートが可能です。

$ brew upgrade yt-dlp

GitHub Releases から取得した場合は、最新のバイナリを再ダウンロードして導入と同じ手順で置き換えます。

基本の使い方

コマンドラインで、yt-dlpの引数に動画ページのURLを渡して起動します。 例えばYouTubeの場合は、下記の様にダウンロードしたい動画ページのURLをコピーして与えます。

$ yt-dlp "https://動画ページのURL"

ダウンロードしたファイルは.mp4形式などで保存され、ブラウザで開くか、OS標準の動画プレーヤーで見ることができます。

FAQ

Q. 「コマンドが見つかりません」と表示されます

PATH に登録されていない可能性があります。
一時的に使う場合は、実行ファイルと同じフォルダで開けば解決します。

Q. 依存ツールが必要と表示されます

ffmpeg が必要になるケースがあります(音声と映像の結合時など)。
公式サイト:https://ffmpeg.org/

Q. 動画のダウンロードに問題はないの?

yt-dlpが技術的に対応しているサイトであっても、利用規約でyt-dlpのような外部ツールによるダウンロードを禁止している場合があります。公式がダウンロードの手段を用意している場合はそちらを利用しましょう。また、著作権のあるコンテンツは取り扱いに注意が必要です。

下記は2025年11月時点での状況です、利用時は最新状況を確認しましょう。

  • OK … サイトが「元々ダウンロードを許可」している
  • 条件付きOK … 動画の投稿者・設定次第
  • NG … サイト規約が公式手段以外のダウンロードを禁止
サービス名利用規約上のDL許可外部ツール(yt-dlp)の扱い判定理由(短く)
Vimeo条件付きOK許可動画のみOK投稿者がDL許可ONなら合法
ニコニコ動画(自分の投稿)OKOK自分の著作物はDL自由
ニコニコ動画(他者)NGNG規約で外部DL禁止
Archive.orgOKOKパブリックドメイン/CC中心、DL前提
TEDOK(対応動画のみ)OK公式DL機能あり
YouTube
(一般)
NGNG正規手段以外のDLを明確に禁止
YouTube
(自分の投稿)
OK(公式DLのみ)NG外部ツールによるDLは規約上NG
TikTok条件付きOKDLボタンあり動画のみOKDLボタンが権利者の許可を示す
Twitter/XNGNG外部DL禁止、公式保存機能なし
InstagramNGNG規約でコンテンツ保存禁止
FacebookNGNG規約で外部DL禁止

なお、規約上の判断が難しいサイトは表から省略しています。

yt-dlp自体はYouTubeへの対応に積極的ですが、利用規約上は例え自分のコンテンツであってもNGとなりますので注意が必要です。

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