こんにちは、パレイド技術部の夏目です。
「Stable Diffusion Forge を入れたい」と思って検索すると、いくつもの“Forge”が出てきて戸惑います。結論から言うと、2026 年現在の現役は後継版の Forge Neo です。オリジナルの Forge(lllyasviel 版)も AUTOMATIC1111 も更新がほぼ止まり、最新モデルへの対応は Neo に集約されました。
本記事では Forge Neo を Stability Matrix で導入し、実際に画像生成まで通す流れを、Windows(RTX 4070)での実測つきで解説します。途中でハマりやすい「SDXL で淡いノイズしか出ない」問題の対処も実体験で扱います。無印 Forge を手動で入れたい人(Mac 含む)向けの手順も後半に残しました。
Forge Neo とは — Classic との違いと選び方
Forge Neo は Haoming02 氏の sd-webui-forge-classic リポジトリの neo ブランチです。Flux.2・Qwen-Image・Z-Image・Anima・Wan 2.2 など、最近のモデルを次々に取り込んでいるのが特徴です。
紛らわしいのはリポジトリ名に “classic” が入る点ですが、中身はブランチで分かれています。
neoブランチ … Forge Neo(最新モデル対応・活発に開発中)← 通常はこれclassicブランチ … Forge Classic(SD1.5 / SDXL 中心の旧来版、最新モデルは載らない)
最新モデルを使いたいなら neo を選びます。なお Forge Neo は NVIDIA GPU 前提(Python 3.13 / PyTorch + CUDA)で、Mac の公式対応は限定的です。Mac の方は後半の無印 Forge 手動導入を参照してください。
検索すると出てくる “Forge” 系を一覧にすると、違いは次のとおりです。
| 名称 | 実体 | 対応モデル | 開発状況 |
|---|---|---|---|
| Forge Neo | Haoming02 版の neo ブランチ |
SD1.5 / SDXL に加え Flux.2・Qwen-Image・Z-Image・Anima・Wan 2.2 など最新世代 | 活発に開発中(現役) |
| Forge Classic | Haoming02 版の classic ブランチ |
SD1.5 / SDXL 中心 | 維持中心、最新モデルは載らない |
| 無印 Forge | lllyasviel 版(オリジナル) | SD1.5 / SDXL 中心 | 更新ほぼ停止 |
| AUTOMATIC1111 | 本家 WebUI | SD1.5 / SDXL 中心 | 更新ほぼ停止 |
同じ “Forge” でも実体はこれだけ枝分かれしています。2026 年に最新モデルまで追いたいなら選ぶのは Forge Neo の一択、というのがこの表の読み方です。
lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge
Stability Matrix で Forge Neo を入れる
最短ルートは Stability Matrix からの導入です。CUDA や PyTorch のバージョン合わせを Stability Matrix 側が引き受けてくれるため、環境依存のトラブルをほぼ回避できます。
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手順は次のとおりです。
- Stability Matrix の Packages 画面で Add Package
- 一覧から 「Stable Diffusion WebUI Forge – Neo」 を選択(中身は
neoブランチ) - Install を押すと、Python・PyTorch・CUDA など依存一式が自動でダウンロード・構築される
手動派は git clone https://github.com/Haoming02/sd-webui-forge-classic sd-webui-forge-neo --branch neo で neo を明示クローンし、Python 3.13 の仮想環境で起動する手もありますが、バージョン地獄を避けるなら Stability Matrix が無難です。筆者環境では neo-2.24 で問題なく動作しました(RTX 4070 / 12GB)。
インストールできない・アップデートできないときのチェック
Stability Matrix 経由でも、環境によっては導入や更新でつまずきます。検索でよく見かける詰まり方と対処を挙げておきます。
- Add Package の一覧に「Forge – Neo」が出てこない … Stability Matrix 本体が古いと、新しいパッケージ定義が反映されていないことがあります。まず Stability Matrix 自体を最新へ更新してから Add Package を開き直してください。
- インストールが途中で止まる・失敗する … Python・PyTorch・CUDA 一式を数 GB ダウンロードするため、回線が不安定だと途中で落ちます。Stability Matrix の Console 出力でエラー箇所を確認し、再実行で入り直すのが基本です。CUDA まわりでこける場合は NVIDIA のドライバを最新へ更新してから入れ直すと通ることが多いです。
- Mac で入らない … Forge Neo は NVIDIA GPU 前提(Python 3.13 / PyTorch + CUDA)のため、Mac では基本的にインストールできません。Mac の方は後半の無印 Forge 手動導入に進んでください。
- アップデートのやり方 … Stability Matrix の Packages 画面で、Forge Neo の行に新しいバージョンがあると更新アイコンが出ます。これを押せば
neoブランチの最新へ上げられます。手動 clone で運用している場合は、クローンしたフォルダでgit pullしてから再起動します。Neo は対応モデルの追加が速くアップデート頻度も高いので、定期的に更新しておくのが無難です。
他マシンのブラウザからアクセスする(–listen)
Forge Neo は既定では 127.0.0.1(同じ PC からのみ)で待ち受けます。同じ LAN の別マシンから使いたい場合は、Stability Matrix の Launch Options(Extra Launch Arguments)に --listen を追加します。
これで 0.0.0.0 で待ち受けるようになり、http://<その PC の LAN IP>:7860(例: http://192.168.11.63:7860)でアクセスできます。初回は Windows ファイアウォールで 7860 番の許可を求められることがあるので、プライベートネットワークを許可してください。
--listen は無認証で LAN に開くため、信頼できるネットワーク内での利用が前提です。簡易的な認証をかけたいときは --gradio-auth ユーザー名:パスワード を併用します。
つまずき①:SDXL で「淡いノイズ」しか出ない=VAE の NaN
Forge Neo に RealVisXL などの SDXL モデルを入れて、VAE を空欄のまま生成すると、薄い砂嵐のようなノイズ画像になることがあります。これはプロンプトの問題ではなく、SDXL の VAE が fp16 で NaN(数値破綻)を起こす有名な不具合です。
A1111 でおなじみの --no-half-vae という起動引数で回避する方法が広く知られていますが、Forge / Forge Neo は VAE 周りを作り替えており、この引数は効きません。Forge Neo での正解は、fp16 で壊れない VAE を明示的に当てることです。
- madebyollin/sdxl-vae-fp16-fix から VAE ファイル(
sdxl.vae.safetensors、約 335MB)をダウンロード - VAE フォルダ(Stability Matrix の Models → VAE、または
models/VAE/)に置く - 上部の VAE / Text Encoder 欄で更新ボタンを押し、
sdxl-vae-fp16-fixを選択 - SDXL モデルと組で生成する
筆者環境では RealVisXL_V5.0_fp16 + sdxl_vae_fp16_fix の組で安定し、1024×1024 / 24 steps(Euler a)/ CFG 4.5 が 18.6 秒(RTX 4070, neo-2.24)でした。なお SDXL を使うときは UI Preset を xl にします。VAE 候補に並ぶ ace / flux2 / qwen / wan 等は別アーキテクチャ(Neo の新モデル)用なので、SDXL には使いません。
無印 Forge を手動インストールしたい場合(Mac 含む)
Mac で使いたい、あるいは Neo ではなく無印 Forge を自分で組みたい場合は、従来どおりの手動導入も可能です。手順は AUTOMATIC1111 版とほぼ同じで、Python 3.10 と Git さえ用意すれば進められます。
Windows:Python 3.10 系と Git を入れ、任意のフォルダで無印リポジトリをクローンして webui-user.bat を実行します。
git clone https://github.com/lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge.git
cd stable-diffusion-webui-forge
webui-user.bat
Mac:Homebrew で python@3.10 と git を用意し、同じリポジトリをクローンして ./webui.sh を実行します。GPU は Apple Silicon(Metal / MPS)が使われますが、NVIDIA 環境より生成は遅いため、解像度やバッチサイズは控えめがおすすめです。OS 別の細かな手順は本家 WebUI の Wiki が一次情報として確実です。
初回起動時に依存パッケージが数 GB ダウンロードされ、コンソールに Running on local URL: http://127.0.0.1:7860 と出てブラウザが開けば成功です。ただし無印 Forge は更新が止まりつつあるため、最新モデルが必要なら Neo へ移る前提で考えておくと安心です。
まとめ
現行の Forge は Forge Neo、入れるなら Stability Matrix が最短、というのが結論です。SDXL(RealVisXL など)を使うときは sdxl-vae-fp16-fix を VAE にセットしておけば、淡いノイズの罠を踏みません。別マシンから使うなら --listen を 1 つ足すだけです。
Forge Neo は対応モデルの追加が速い分アップデート頻度も高いので、Stability Matrix 側で定期的に更新しつつ運用していくとよいでしょう。
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