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OBSERVATION · 其の6814 · 2026.07.14

立ち絵を3Dにするなら? — Pixal3D と Hunyuan3D 2.0 を同じアバターで比較

立ち絵を3Dにするなら? — Pixal3D と Hunyuan3D 2.0 を同じアバターで比較 — 立ち絵を3D化, Pixal3D, Hunyuan3D

こんにちは、パレイド技術部です。

前回、連載の番外編として 立ち絵アバターを Pixal3D で3D(GLB)化する話をしました。色(テクスチャ)まで乗るが、正面1枚ゆえの得意・不得意が出る——という内容です。

パレイドアバター自動生成に挑む(8)|立ち絵を3Dモデルにする(Pixal3D でローカル画像→3D)こんにちは、パレイド思想部です。 全7回の連載で、立ち絵アバターを「生成 → 表情差分 → レイヤー分解 → パッケージング(.d99a)」まで自動化して…

今回はその続きとして、まったく同じアバター入力を、もう一つの image-to-3D モデル Hunyuan3D 2.0(Tencent、ComfyUI 本体にネイティブ内蔵)にも通し、Pixal3D と同一条件で比較しました。結論から言うと、立ち絵(平面イラスト)では Pixal3D、実物体的な入力では Hunyuan3D という住み分けがはっきり見えました。

本記事はローカル LLM による自動執筆パイプラインと、クラウド AI(Claude 等)の補助・人間の編集を組み合わせて制作しています。pareido.jp では最終的に AI が自律的にコンテンツを制作できる仕組みの構築を目指しています。

実験条件(前回と同じ入力)

入力は前回と同じく、.d99a から取り出した variants/neutral_closed.png(口閉じ・目開き)を 白背景の 1024² に前処理したもの。御供餅(osonae)と棗(natsume)の2体で、GPU は RTX 4070(12GB)です。Pixal3D 側の GLB は前回の記事で生成したものをそのまま使い、Hunyuan3D 側だけ今回新たに同じ画像から生成しました。

項目Pixal3DHunyuan3D 2.0
提供TencentARCTencent
アプローチMoGe でカメラ/深度を推定し単視点から復元DiT で形状を生成
ComfyUI 統合専用カスタムノード(隔離環境が必要)本体 core にネイティブ内蔵
実行環境隔離 ComfyUI(torch 2.10.0+cu130)標準 ComfyUI(torch 2.12)
出力テクスチャ付き GLB(1発)形状のみ(テクスチャは別 Paint パス)

Hunyuan3D 2.0 は導入が楽で、hunyuan3d-dit-v2_fp16.safetensors(約4.9GB)を checkpoints に置けば、標準 ComfyUI の既存ノードだけで動きます。ワークフローはこうです。

ImageOnlyCheckpointLoader (hunyuan3d-dit-v2_fp16.safetensors)
  → CLIPVisionEncode → Hunyuan3Dv2Conditioning
  → EmptyLatentHunyuan3Dv2 (resolution=3072)
  → KSampler (steps=30, cfg=5.0, euler/karras)
  → VAEDecodeHunyuan3D (octree_resolution=256)
  → VoxelToMeshBasic → SaveGLB

実測結果(御供餅・osonae)

指標Pixal3DHunyuan3D 2.0
生成時間数分約30秒
ファイルサイズ70.3 MB21.8 MB
頂点数約 75 万(748,125)約 121 万(1,208,712)
面数約 99 万(994,259)約 60 万(604,356)
テクスチャあり(4096 × 2枚 / マテリアル1)なし(白メッシュ)

棗(natsume)もほぼ同傾向でした(Pixal3D: 68.7MB / 面約99万 / テクスチャ付き、Hunyuan3D: 28.1MB / 面約78万 / 無地)。数字の上では Hunyuan3D が速く(約4倍)・軽い一方、色は付きません。

見た目で比較

問題はここからです。実際にレンダリングして並べると、立ち絵という入力の特性がそのまま結果に出ました。

  • Pixal3D(左): テクスチャ込みで、髪・瞳・服・肌まで立ち絵の面影がしっかり残る。一目で誰か分かります。単視点由来でバストの底面はスラブ状に切れ、背面は弱いものの、正面の見た目はかなり保たれます。
  • Hunyuan3D 2.0(右): シルエットと髪のボリューム(お団子・毛束)は立体として拾えていますが、顔が平坦に溶け、目鼻立ちがほぼ消えます。しかも無地(白)。平面的なアニメ立ち絵は、DiT にとって奥行きの手がかりが乏しく、顔まわりが苦手なようです。

360°のターンテーブルでも同じ傾向です。

面白いのは、Hunyuan3D が苦手なのは「立ち絵だから」という点です。別途、実物体的な画像(立体感のあるキャラフィギュア風の1枚)を入れたときは、Hunyuan3D はむしろ耳や輪郭までクリーンな立体を作れました。平面イラストの顔 という、まさに前回話した「正面性」の問題に、Hunyuan3D はより敏感に反応した格好です。

つまずいた点:環境の相性

ついでに一つ罠を。Hunyuan3D の DiT を、横着して Pixal3D 用の隔離環境(torch 2.10 + cu130)で回したところ、サンプリング 53%で Fatal Python error: Aborted とプロセスごと落ちました。標準 ComfyUI(torch 2.12)に移すと約30秒で完走。Hunyuan3D は標準 ComfyUI、Pixal3D は専用隔離環境、と土俵を守るのが安全です。

どちらを使うべきか

  • 立ち絵アバターを3Dにするなら → Pixal3D。色が乗り、顔が保たれるので「そのキャラの3D」になります。今回の用途ではこちらが明確に有利。
  • 実物体的な入力・速度・形状の下地なら → Hunyuan3D 2.0。導入も楽(core 内蔵)で速い。ただし色は Paint パス前提、平面イラストの顔は苦手。

まとめ

  • 同じアバター立ち絵で比べると、Pixal3D は色付きで顔が保たれる/Hunyuan3D はシルエットは拾うが顔が平坦・無地。立ち絵の3D化では Pixal3D が有利だった。
  • Hunyuan3D は約4倍速く導入も楽だが、平面イラスト特有の「正面性」に弱い。実物体的な入力なら強い。
  • 各モデルは想定環境で動かすこと(土俵を間違えるとクラッシュ)。

次回は、Hunyuan3D の Paint パスでテクスチャを乗せた版 と、立ち絵に複数アングル/マルチビューを足して「正面性」を崩した入力で、それぞれの“本気”を引き出して再戦してみる予定です。お楽しみに。

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