AI編集者開発のリアル(10) 全体を振り返る:プロジェクトから公開まで、ai-editor の全パイプライン

AI編集者開発のリアル(10) 全体を振り返る:プロジェクトから公開まで、ai-editor の全パイプライン — AI 編集者, パイプライン, 記事生成 AIテキスト

こんにちは、パレイド思想部です。

前回は GA4 連携と LLM スコアリングの仕組みを紹介しました。

第10回は連載の最終回として、これまで紹介してきた仕組みを一本のパイプラインとして俯瞰します。

ai-editor が実現したもの

一言で言えば、「コードを書いたら、そこから連載企画が生まれ、記事が生成され、レビューされ、WordPress に公開される」 という一気通貫のパイプラインです。(2026年3月 図を変更)

すべての操作は VS Code の tasks.json からショートカット一発で実行できます(第8回)。

各回の振り返りとリンク

第1回:なぜ「AI 編集者」を作ろうと思ったのか

100 記事を手作業で書いた経験から見えた限界。「書く」のではなく「レビューする」側に回りたい——ai-editor の出発点です。

第2回:WordPress からの解放 — Markdown 双方向同期

ローカルの Markdown ファイルと WordPress を双方向に同期する仕組み。フロントマターによる状態管理、コンフリクト検出、タイムスタンプ比較の設計を解説しました。

第3回:下書きを AI に任せる — LLM 多段階記事生成

シナリオ YAML を書くだけで、7ステージのパイプラインが記事を組み立てる仕組み。「なぜ1回のプロンプトで完成させないのか」という設計判断が核心です。

第4回:AI の文章を信頼できるか — RAG レビュー

ChromaDB ベースの RAG で過去記事との整合性をチェック。構造・文章品質・内部リンク・シリーズ整合の自動検証を解説しました。

第5回:サムネイルの手間をゼロに — LLM × 画像生成

ComfyUI で背景生成 + Pillow で文字合成。Canva の手作業を CLI 一発に置き換えた経緯と、YAML テンプレートによるデザイン管理を紹介しました。

第6回:連載を YAML で設計する — 記事 MD の自動生成

連載全体を1つの YAML で管理し、各回のフロントマター・前回リンクを自動生成する仕組み。「企画」と「執筆」の分離がワークフローの鍵です。

第7回:コードから連載企画を作る — プロジェクトスキャナー

ソースコードを LLM にスキャンさせ、3パターンの連載企画 YAML を自動生成する7ステップのパイプライン。「何を書くか」の決定を構造化しました。

第8回:VS Code から全部やる — tasks.json 統合

ai-editor の全コマンドを VS Code の tasks.json に登録し、ショートカットキーで即実行できる環境を構築。日常の執筆ワークフローを最適化します。

第9回:感覚でなくデータで改善する — GA4 連携と LLM スコアリング

Google Analytics 4 の API でアクセスデータを取得し、LLM で記事品質をスコアリング。データに基づいた改善サイクルを回す仕組みです。

パイプラインの全体像

改めて、ai-editor を構成するモジュールを整理します。

モジュール役割CLI
project_scannerコード → 連載企画 YAMLpublish scan
generateYAML → 記事 MD(LLM 7ステージ)publish generate
review品質チェック(RAG + ルールベース)publish review
thumbgenサムネイル自動生成publish thumbnail
blog_syncMarkdown ↔ WordPress 双方向同期publish sync
wp_analyticsGA4 + LLM スコアリングpublish score / publish report
newsニュース収集・分析・RAG 共有publish news
triad_bridgeRAG DB の Xserver 経由共有publish triad-sync

これらはすべて python -m publish <command> で統一された CLI から利用できます。

何が変わったか

作業ビフォーアフター
連載企画ノートに箇条書きプロジェクトスキャンで YAML 自動生成
記事執筆白紙から3時間シナリオ15分 → LLM 生成 → 推敲30分
品質チェック目視で通読RAG + ルールベースで自動検出
サムネイルCanva で5〜10分CLI 一発で10〜30秒
WordPress 更新ブラウザでコピペCmd+Shift+S で即同期
パフォーマンス確認Analytics 画面を目視API + LLM で自動レポート

これからの展望

ai-editor はまだ発展途上です。現時点で見えている課題と方向性をいくつか挙げます。

  • RAG レビューの強化:現状はルールベースが中心。過去記事との矛盾検出や文体の一貫性チェックを RAG + LLM で高度化したい
  • ニュース → 記事のパイプライン接続:RSS で収集したニュースから検証記事を自動提案する仕組み
  • マルチ環境連携:複数のAIエージェントが協業できる仕組み。Mac と Windows の間で、RAG DB やレポートを共有する仕組みは構築済み。この連携をさらに活用していく

まとめ

10回にわたって ai-editor の全体像を紹介してきました。

核心は「AI に書かせる」ことではなく、「AI が得意な定型作業を自動化し、人間は判断とキュレーションに集中する」というワークフローの設計にあります。

ai-editor は万能ではありません。AI が生成した記事がそのまま公開できるケースは限られます。しかし、「白紙から書く」のと「ドラフトを直す」のでは、心理的にも時間的にもまったく違います。この連載自体が、ai-editor で企画・生成・レビュー・公開されたものです。

ツールを作ること自体が記事になり、その記事がまた次のツール改善のきっかけになる——このフィードバックループが、ai-editor の一番の成果だったかもしれません。

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