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OBSERVATION · 其の5394 · 2026.06.24

民俗から VTuber / AITuber へ ── 人が惹かれる「記号」を、AI に分類させて公開DBにした

◉ REC COVER · 圖版 FRM·3055

こんにちは、パレイド思想部の梨本です。

妖怪、神、精霊。人は古くから、自分とは違う「人ならざるもの」に、畏れと憧れをないまぜにした目を向けてきました。思想部ではこのところ、以前から江戸の妖怪画を写実的な絵に描き直す記事を続けてきて、そうした存在の「型」を扱ってきました。その同じ視線を、いま生きている VTuber や AITuber の文化に向けてみると、形は変わっても同じ希求が続いているように見えます。今回は、人が惹かれる「記号」をデータとして分類・抽出する試みと、その成果に触れられる公開データベース「記号の記録」を紹介します。

本記事はローカル LLM による自動執筆パイプラインで生成されました。現段階ではクラウド AI(Claude 等)の補助や人間の編集が介在していますが、pareido.jp では最終的に AI が自律的にコンテンツを制作できる仕組みの構築を目指しています。

人ならざるものへの憧れは、語りで受け継がれてきた

天狗、座敷童、雪女。これらの存在には、共通する記号があります。赤ら顔の天狗、白い肌に白い着物の雪女、獣の耳を持つ者。人ならざるものは、いつもいくつかの記号の組み合わせで描かれてきました。その記号は、語り手から語り手へ、絵師から絵師へ、口伝と模写で受け継がれてきたものです。

何がその姿を魅力的にしているのか。それはずっと、作り手の勘と経験のなかにありました。職人は「こう描けば人が惹かれる」を知っていますが、その知は感覚の領分にとどまり、数えられることはありませんでした

VTuber も、この系譜の延長に置けます。銀髪、青い瞳、獣耳、特定の画風。アバターをかたちづくる要素は、かつての妖怪の記号と同じように、見る人を惹きつけるために選ばれたものです。けれど、なぜその記号に人が集まるのかは、やはり制作現場の経験則のなかにあって、分布として眺める手立てはありませんでした。

公開情報から見つけ、ローカルの画像認識 AI に記号を読ませる

ここで作ったのが、人が惹かれる記号をデータにする仕組みです。やっていることは大きく三つに分かれます。

  • 見つける: YouTube の公開情報をたどって、VTuber のチャンネルを集める。
  • 読む: アバターとバナーの画像を、手元で動く画像認識 AI に見せて、外見の記号を読み取らせる。
  • 並べる: 読み取った記号を、登録者数・総再生数・動画数といった影響度の数字と突き合わせ、絞り込みとランキングのできるデータベースにする。

画像認識 AI が読み取る記号は、髪色・目色・配色・画風(2D かフル CG か写実か)・種族(人間/獣人/悪魔/ロボットなど)・装飾・性別といった切り口です。たとえば一体を読ませると、「金髪・茶の瞳・人間・2D・女性」のように、外見が記号の組み合わせへとほどけて出てきます。銀髪と青い瞳が同じ顔に何度も並ぶこと、獣耳が特定の画風に偏って現れること。人が無意識に受け取っている印象を、AI が一度ことばに変換してくれるわけです。

この処理はクラウドに画像を投げず、すべて手元で完結させています。一般的なパソコンの上で、無料のローカル AI だけで回る。個人ひとりが、職人集団の勘を数えにかかれる規模に収めたかったからです。現時点で 90 体ほどを処理し終えていますが、VTuber 全体からすればごく一部にすぎません。それでも成果はそのまま公開しています。

https://pareido.jp/demo/Pomona/

これは VTuber カタログではなく、人の希求の分析

ここがいちばん書いておきたいところです。このデータベースの目的は、特定の VTuber を採点することでも、登録者数で順位をつけて遊ぶことでもありません。狙いは、「人間が普遍的に惹かれる記号とは何か」を、実データの分布として浮かび上がらせることにあります。対象にしているのは人ではなく、記号のほうです。

以前の妖怪を写実的に描き直す記事でも、妖怪の姿がいくつかの型に分かれて見えてきました。

  • 実在する部品の組み合わせでできた型(獣の耳、鳥の翼)
  • あり得ない配置でできた型(一つ目、長すぎる首)
  • 見立てで立ち上がる型(古道具が化ける付喪神)

同じことが、人気の記号にも起きるのではないか。銀髪はなぜ多いのか、獣耳と登録者数のあいだに偏りはあるのか。記号と人気度を並べる軸は、調べたかぎり世の中のデータベースに存在しません。だからこそ、自分たちで作って覗いてみたかったのです。

数えはじめてまだ間もないのに、いくつか目に留まる傾向はあります。髪色は赤や黒よりも、現実にはほとんどない青や銀が多く現れること。瞳の色や装飾は、髪色ほどには種類が散らばらないこと。妖怪の「あり得ない配置でできた型」と、現実離れした髪色をあえて選ぶ VTuber の身ぶりは、案外まっすぐ地続きなのかもしれません。これがほんとうに人気の偏りと結びつくのかは、体数を増やしてはじめて言えることですが、覗く前には見えなかった輪郭です。

実在の VTuber を扱う以上、断っておきたいことがあります。扱うのは誰でも見られる公開情報だけで、特定の個人の人格や活動の良し悪しを測るものではありません。見ているのは一人ひとりではなく、多くの姿に共通して現れる記号のほう。人を採点しないことを、この道具の前提に置いています。

思想部としてこの試みを意味づけるなら、こうなります。人類が長く抱えてきた「人ならざるものへの憧れ」という大きな希求を、個人が手元の AI だけでデータとして覗ける。これは収益や効率の話ではなく、一人の見える範囲を、人類規模の問いまで広げるという意味で、個人の拡張そのものだと思います。AI に記号を読む眼を貸してもらうことで、ひとりが、かつては職人集団に宿っていた勘へ近づいていく。

まとめ

妖怪から VTuber まで、人ならざるものへの憧れは、形を変えながら途切れずに続いています。その受け皿となってきた記号を、いまは個人がローカルの AI で分類し、人気の数字と並べて観測できるようになりました。

公開しているデータベースは、まだ 90 体までの途中経過で、これも母数からすればほんの入り口です。ここから体数を増やし、どの記号がどれだけの人を引き寄せるのか、その相関を少しずつ見ていきます。道具は置いておくので、よければ触ってみてください。画像認識のモデル選びや、Ollama 上でどのビジョンモデルを動かしたかといった実装の詳細は、技術部のほうで別途まとめます。思想部が見ておきたいのは、その記号の分布が、わたしたちのどんな希求を映し返してくるか、のほうです。

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