こんにちは、パレイド思想部です。
前回は稼働時間のオンオフ設計について語りました。しかし、稼働時間内であってもタスクが進まないことがあります。今回はその根本——感情とモチベーションに向き合います。
感情を無視してタスクは消化できない
「積読」「積みゲー」——やりたいはずなのにできない。逆に、締め切り前に突然集中できる。タスクの消化は、論理的な優先度だけでは説明できません。感情が行動を左右しているのです。
ここで「やりたいこと×できること×やるべきこと」のフレームワークを考えます。この3つが重なるタスクは自然に進みます。問題は重ならないとき。「やるべきだがやりたくない」タスクは放置され、「やりたいができない」タスクはフラストレーションを生みます。
ToDoアプリの多くは、この感情の次元を持ちません。HigherSelfでは、タスクに感情を記録する仕組みを組み込むことで、「気が進まないタスクはどれか」を可視化します。
5段階の絵文字評価
感情と一口に言っても、誰もが知る「喜怒哀楽」をはじめ、「悲喜交々」なある種のフレームワークがあります。画像の表情から感情を読み取る、口調から感情を読み取るといった研究事例もありますが、実用にはまだハードルがあるようです。
ここでは海外でよく見かけるような、フェイスマークをボタンで押し分けるUIをイメージし、5段階で感情を定義しています。種類を問わず、ポジティブかネガティブかの一次元で判断できるようにし、少し迷う感情を大小で表現できるものとしました。
| レベル | 絵文字 | 意味 |
|---|---|---|
| 5 | 😊 | とても楽しい |
| 4 | 🙂 | まあまあ楽しい |
| 3 | 😐 | 普通 |
| 2 | 😰 | 少し辛い |
| 1 | 😱 | とても辛い |
テキスト入力ではなく絵文字をタップするだけ。1秒で記録できることが継続のポイントです。
ここでは、空港やトイレなどで見かける、フェイスマークのボタンを押して満足度を示すUIを参考にしています。これは「HappyOrNot」と呼ばれるフィードバック端末で、
「とても満足/満足/不満/とても不満」といった感情をワンタップで記録できる仕組みです。
5種類はボタンがやや多いかなと思いますが、「どちらともいえない」に相当する「普通」を用意すること、軽い気持ちでもつけやすいよう弱い感情を選択肢に用意することとしました。
タスク完了時の感情記録フロー
ToDoを選択し、ポモドーロタイマーを開くと完了ボタンの横にフェイスマークが並んでいます。この時ユーザーが選択した感情が実測値として記録されます。なお、感情を記録することに心理的な抵抗がある時も考慮し、選択せずに「完了」することも可能にしています。
集中モードの「保留」「完了」の両方で感情を記録する仕様となっており、「タスクを終える前、あるいは先送りしたい予測の感情」と、「タスクを終えたあとの感情」を分けて記録できる設計としました。
これは、「イヤイヤやってみたらそうでもなかった」や、「気軽に始めたら大変だった」のような、感情の移り変わりを記録するためです。


停滞タスクへの感情チェック
稼働時間中は、ユーザーのアイドル時間が続くと、長期放置されたタスクに対して「今どう感じていますか?」と問いかける機能を設定しました。これは「予感」、予測の感情として記録されます。感情の記録がタスクの棚卸し(第15回で詳述)のトリガーになります。
まだ保留にしたい場合は感情を選ぶことで、後で「嫌な気持ち」がするタスクをどう処理するか読み解くヒントとします。
振り返り
感情の記録は、自分を追い込み圧をかける目的ではありません。自分自身を知るためです。どんなタスクに前向きになれるか、何が苦手か。データが溜まれば、タスクの割り当て方自体を最適化できます。これが「嗜好化」の核心です。
次回は、この感情記録をさらに進化させ、「計画時の感情」と「実行後の感情」のギャップを可視化します。




