こんにちは、パレイド技術部です。
前回 4/24 は DreamShaper XL Turbo の警告記事で、Lightning 系と Turbo 系のライセンス対比を明確にしました。
今回からは別ファミリー、Animagine XL 4.0 に移ります。連載前半 (Juggernaut / RealVisXL / DreamShaper) で扱ってきたリアル系チェックポイントから、いよいよ アニメ / イラスト系の中心格に踏み込みます。
Animagine XL 4.0 は 派生 (Lightning / Turbo) を持たない単発世代なので、本連載のフォーマットでは「派生記事なし、初日記事のみ」の例外回になります。Juggernaut Ragnarok と同じ構造で、通常版 1 本だけで完結します。
本記事はローカル LLM による自動執筆パイプラインで生成されました。現段階ではクラウド AI(Claude 等)の補助や人間の編集が介在していますが、pareido.jp では最終的に AI が自律的にコンテンツを制作できる仕組みの構築を目指しています。
出自と系統
Animagine XL は Cagliostro Research Lab が公開する アニメ特化 SDXL fine-tune モデルシリーズです。SDXL 1.0 を約 840 万枚のアニメ画像で fine-tune し、booru タグベースのプロンプト構造で動作するように学習されています。本記事の 4.0 (Anim4gine) は 2025-01 に公開された最新世代で、SDXL 1.0 から再学習され、約 2,650 GPU 時間を投じた大規模 fine-tune です。
| 版 | リリース | ベース | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Animagine XL 1.0 | 2023 後半 | SDXL 1.0 | 初期 |
| Animagine XL 2.0 | 2023 終盤 | SDXL 1.0 | 改良 |
| Animagine XL 3.x (3.0/3.1) | 2024 | SDXL 1.0 | 普及版、Fair AI Public License 1.0-SD |
| Animagine XL 4.0 (本記事) | 2025-01-24 | SDXL 1.0 再学習 | 8.4M 枚学習、ライセンス RAIL++-M に変更 |
| Animagine XL 4.0 Opt | 2025-02-13 | SDXL 1.0 | 4.0 を更に微調整 (彩度・解剖学性・安定性向上) |
| Animagine XL 4.0 Zero | 同上 | SDXL 1.0 | プロンプト依存を低減(自然言語でも破綻しにくい運用特化版) |
4.0 系に高速版の派生 (Lightning / Turbo) は出ていません。これは Cagliostro Lab が「fine-tune 系の本流」として 4.0 → 4.0 Opt と通常版で改良を重ねる方針を取っているため、と読めます。蒸留・高速派生は別チームのモデル (LCM LoRA など) と組み合わせる前提のようです。4.0 系に存在する Opt / Zero は品質調整・運用性調整のバリエーションです。
入手先:
- HuggingFace: cagliostrolab/animagine-xl-4.0 — 公開リポジトリ、token 不要
- ファイル:
animagine-xl-4.0.safetensors(約 6.94 GB) またはanimagine-xl-4.0-opt.safetensors(Opt 版)
ライセンス — 3.x からの変更点に注意
Animagine XL 4.0 は CreativeML Open RAIL++-M (SDXL 標準) に変更されました。これは前世代 3.x の Fair AI Public License 1.0-SD からライセンスが変わっているので、3.x で動かしていた人が 4.0 にアップグレードする際は要確認の項目です。
- 3.x (Fair AI Public License 1.0-SD): 派生モデル (merge / LoRA) を配布する場合は同ライセンスで公開する義務があった
- 4.0 (CreativeML Open RAIL++-M): SDXL 標準と同じ。派生公開義務はなく、Juggernaut / RealVisXL / DreamShaper Lightning と同じ枠で扱える
| 軸 | 判定 | 根拠条項 / 解釈 |
|---|---|---|
| 商用利用 | ○ | RAIL++-M、HF cardData license: openrail++ |
| 生成物の販売 | ○ | 同上 |
| モデル再配布 | ○ | 同上 (帰属表示推奨) |
| 派生 (merge / LoRA) | ○ | RAIL++-M、3.x の Fair AI 公開義務は外れた |
| 学習データ透明性 | ○ | HF README に「8.4M アニメ画像、知識カットオフ 2025-01-07」と明記 |
| pareido.jp で安心して使えるか | ○ | アニメ調記事のアイキャッチで安心して使える |
判定: 安心して使える ○。Juggernaut / RealVisXL / DreamShaper Lightning と同じ枠。3.x からのアップグレード組はライセンス変更の方向だけ確認しておくと良し。
環境とセットアップ
| 項目 | 値 |
|---|---|
| GPU | RTX 4070 12GB |
| ComfyUI | 0.19.3 / PyTorch 2.11.0+cu130 |
| ファイル | animagine-xl-4.0.safetensors (約 6.94 GB) |
| 入手先 | HuggingFace cagliostrolab/animagine-xl-4.0 (token 不要) |
HF 公開リポなので curl で直接取得可能 (RealVisXL V5.0 と同じパターン)。ダウンロード後 ComfyUI の models/checkpoints/ に置けば、Load Checkpoint の一覧に現れます。
ベンチマーク
連載統一通常版条件 で実走 (steps=30 / cfg=4.0 / seed=42 / 1264×848 / dpmpp_2m / karras)。
公式推奨は Sampler: Euler Ancestral / Steps: 25-28 (28 推奨) / CFG: 4-7 (5 推奨) / Negative: 公式推奨ネガティブ ですが、本連載では SDXL 横断比較のため dpmpp_2m / karras / 30 step / cfg=4.0 で揃えています。ネガティブだけは Animagine 公式推奨を採用 (lowres, bad anatomy, bad hands, ... 等 Booru ベース) — これは Animagine が公式ネガティブで設計されているため、デフォルト連載ネガティブだとアニメ系の崩壊抑制が効かないからです。
判定軸: ○ 安定 / △ ばらつき or 品質懸念 / × 破綻・OOM
| プロンプト | GPU 占有 | 生成秒 | 結果 | 所見 |
|---|---|---|---|---|
| 01_workspace_en (英語写実プロンプト) | ~5.0 GB | 25.7 s ※ | ○ | ※ session 初回。「modern developer workspace」が “アニメ調 SF コックピット” として描画、宇宙船管制室のような未来感。Animagine の “anime DNA” がプロンプトをアニメ世界観に引っ張り込む特徴がそのまま出る |
| 02_workspace_ja_title (日本語タイトル + 写実) | ~4.7 GB | 15.7 s | △ | プロンプトの「壁ポスター」が主役の画面占有率 70% のアニメ少女ポートレートとして再解釈、本来のワークスペースは消える。日本語タイトルは漢字風崩壊、ただしポスター内のレイアウトは整う |
| 03_abstract_neural (抽象 + 中央空け) | ~4.9 GB | 12.3 s | △ | パステル調の細い線画ニューラル、Juggernaut/RealVis の “塊” や DreamShaper の “放射” と違い、イラスト調の素描寄り。中央空けは部分的に成立 |
| 04_comic_panel (マンガ調 + 「実測!」) | ~5.0 GB | 12.5 s | × | アニメ風プリズム/結晶状の抽象画として完全崩壊、キャラ・吹き出し・画面構造すべて消失。自然言語プロンプトの「manga-style」を Animagine が極端に解釈して破綻したケース |
| 05_iso_cityscape (アイソメ) | ~4.8 GB | 16.1 s | ○ | 某大ヒット劇場アニメに出てきそうなパステルアイソメシティ、ピンクとブルーの建物群が緻密に描き込まれる。Juggernaut/RealVis の “緻密な機械” とは別方向の、絵物語的な街並みとして高品質 |
| 06_poster_mixed (日英混在ポスター) | ~5.1 GB | 12.3 s | × | マゼンタ/シアンのグリッド + MacBook 風スケッチ、全体が落書き調の抽象で破綻。Animagine は “retro 80s poster” を「マンガ風グリッド画面」として誤読 |
実際の出力






結果のサマリ — 自然言語プロンプトとの相性
判定の比率は ○ 2 / △ 2 / × 2。連載のリアル系ファミリー (Juggernaut / RealVisXL / DreamShaper) とまったく同じ比率ですが、破綻の方向性が完全に違うことが見えてきました。
リアル系では「テキスト描画 (02 / 06)」と「中央空けレイアウト (03)」が破綻ポイントでしたが、Animagine では:
- テキスト描画は同じく崩壊するが、プロンプト全体をアニメ世界観に引きずり込むので画面そのものが別物になる (01 で SF アニメ化、02 で「ポスター」が主役化)
- マンガ調プロンプト (04) で完全に抽象化して破綻、これは Animagine の専門領域 (アニメ) でない自然言語の “manga-style” をモデルが内部の booru タグ的解釈に変換できなかった結果
- 05 は素晴らしいアニメ調アイソメ、Juggernaut/RealVis の “機械的緻密” とは別ベクトルの “絵物語的密度” として完全に成立
steady-state は 1 枚 約 12-16 秒、RealVisXL V5.0 (11-14 秒) とほぼ同等。Animagine は通常版扱いの単発世代ですが、SDXL fp16 系の標準速度で動きます。VRAM 占有 4.7-5.1 GB で安定。
要点: Animagine は “自然言語のリアル系プロンプト” を入れると、強引にアニメ化する。これは欠点ではなくそういう設計で、本来の使い方は Booru タグベースです。次のセクションで Animagine の本当の力を測ります。
強みを引き出す例 — Booru タグでアニメ調を引き出す
Animagine の本来の運用は Booru タグベースです。1girl, character name, from series, looking at viewer, masterpiece, high score, great score, absurdres のような構造化タグで本来の絵柄が出ます。本記事の extras では Animagine の公式推奨に沿って 3 種試しました。
| プロンプト | 生成秒 | 結果 | 所見 |
|---|---|---|---|
| 07 学園 1girl ポートレート (黒髪 / 制服 / 桜) | 16.8 s | ○ | 完全に Animagine の中心領域。長い黒髪 + 青リボン制服 + 窓辺 + 桜の花びら、目の描き込み・髪のグラデ・光のフレアまで標準アニメ品質を超えるレベル。これが Animagine の “本来” |
| 08 1boy アクションシーン (白髪 / 青刀 / 動き) | 14.1 s | ○ | 白髪の少年が青く光る刀を振るう動的構図、髪のなびき・刀のエフェクト・粒子の散りまでアクション漫画の表紙級。Animagine の動的解釈力の高さが出る |
| 09 某有名アニメ風の風景 (制服少女 / 屋上 / 夕焼けの街) | 15.7 s | ○ | 屋上に立つ制服少女が夕焼けの摩天楼を見下ろす、某劇場アニメ映画から切り取ったような構図。建物のディテール・夕焼けのグラデ・人物の存在感、すべて高品質 |



3 枚すべて文句なしの ○。「Animagine は Booru タグで使え」という公式推奨が、本連載の 7 ファミリー (Juggernaut / RealVisXL / DreamShaper / Animagine) を横断した中で最も明確に “推奨条件で使うとき/使わないときの差” が大きいモデルだという結果になりました。
- 07: 学園アニメ系のキャラポートレートとしては本連載中で最高品質。Juggernaut/RealVisXL の「写実ポートレート ○」と直接比較できる別ジャンルの ○
- 08: 動的アクションシーン、白髪少年 + 青刀のキャラ立ちと動きのエフェクトは Animagine の専門領域。リアル系ではこの動的アニメ表現は不可能
- 09: “アニメ風景画 + 人物” 構造、Animagine が最も得意とする領域 (空・建物・夕焼け・人物の組み合わせ)
要点: 共通 6 (自然言語プロンプト) と extras 7-9 (Booru タグ) で Animagine の評価が大きく変わる。これは欠点ではなくプロンプト設計の規約で、Animagine 採用時はチームに Booru タグ (1girl, masterpiece, high score 等) の運用ルールを共有する必要があります。pareido.jp で Animagine をアイキャッチに使う場合、執筆者向けに Booru タグの参考リンク (Danbooru) を共有しておくと良いでしょう。
棚での位置づけ — 連載 SDXL 棚の “アニメ系第一候補”
| 用途 | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| SDXL 系の “完成形” 写実 | Juggernaut Ragnarok | farewell 作 |
| 写実そのものを掘りたい (eyecatch) | RealVisXL V5.0 通常版 | 写実専門 merge |
| ファンタジー / 夢幻 / コンセプトアート | DreamShaper XL Lightning | 例外的に Lightning メイン |
| アニメ / イラスト調 | Animagine XL 4.0 | 8.4M 枚学習のアニメ特化、Booru タグ運用 |
| 日本語タイトル込み | ERNIE-Image-Turbo | 多言語テキスト描画 |
Animagine は本連載 SDXL 棚の アニメ枠の中核として扱うのが自然です。pareido.jp の現行アイキャッチは写実中心ですが、「アニメ調レビュー記事のアイキャッチ」「キャラ立ったキービジュアル」「漫画風コマ」のような場面で第一候補になります。同じく次回扱う Pony Diffusion V6 XL とはアニメ系内での棲み分けが論点になりますが、Animagine はスタンダードなアニメ絵柄に振り切った無難な選択として最初に置く 1 本です。
次回予告
次回 4/28 は連載 4 月初動の最終回、Pony Diffusion V6 XL に移ります。Animagine と同じ “アニメ系” 枠ながら、ファーリー (擬人化動物キャラ) や NSFW 寄りのコンテンツでも知られる、独自のコミュニティを持つチェックポイントです。Animagine の “標準的アニメ調” と Pony の “アニメ + ファーリー + 多様体” の棲み分けを、同じ Booru タグ条件で見ます。
安心して使える SDXL アニメ系の現役世代として Animagine XL 4.0 はそのまま棚に置いて良し、というのが本記事の判定です。次回はアニメ系のもう一つの大柱に切り替えます。




