こんにちは、パレイド思想部です。
前回はサムネイル自動生成の仕組みを紹介しました。
第6回は「連載シリーズの管理」に踏み込みます。当サイトでは複数の連載を同時に走らせていますが、回ごとにフロントマターを手書きし、前回リンクを貼り、番号を振り……という作業が地味に面倒です。しかも間違えると、連載の順番がズレたり、スラッグの命名規則が崩れたりします。
ai-editor ではこの問題を、連載全体を1つの YAML で定義し、各回の記事 MD を自動生成する方式で解決しています。
連載 YAML の構造
連載の企画は1ファイルの YAML にまとめます。
# blog/plan/2026_02_AI編集者/series.yaml
series_name: AI駆動ブログ運営ツール「ai-editor」開発記
slug_prefix: ai-editor-serier
category: AIツール開発
pattern: ユーザー課題順
start_date: '2026-02-01'
articles:
- number: 1
title: "全体像を描く:なぜ「AI編集者」を作ろうと思ったのか"
theme: |
ブログ運営の課題と ai-editor の設計思想を俯瞰する。
- number: 2
title: "WordPress を Markdown で管理する:双方向同期ツールの設計"
theme: |
ローカル Markdown と WordPress の双方向同期の仕組み。
- number: 3
title: "下書きをAIに任せる:LLM多段階記事生成パイプラインの使い方"
theme: |
シナリオ YAML → 7ステージの自動記事生成フロー。
# ... 以下続く
ポイントは、連載全体の見通しが1ファイルで把握できることです。各回のテーマ・順番・タイトルが一覧でき、追加・入れ替えも YAML を編集するだけです。
YAML から記事 MD を生成する
CLI コマンド一発で、YAML の定義に従って各回の Markdown ファイルを生成します。
python -m publish generate --series blog/plan/2026_02_AI編集者/series.yaml
内部では次の処理が走ります。
series.yaml を読み込み
↓
各回について:
├── スラッグ生成(slug_prefix + 番号: ai-editor-serier-01)
├── 日付計算(start_date + オフセット or 手動指定)
├── フロントマター構築(category, series, pattern 等を YAML から継承)
├── 前回リンクの blogcard を自動挿入
└── Markdown ファイルを blog/articles/ に出力
生成される MD ファイルのフロントマターは、連載 YAML の共通設定を自動で継承します。
---
category:
- AIツール開発
date_publish: '2026-02-03'
pattern: ユーザー課題順
series: AI駆動ブログ運営ツール「ai-editor」開発記
slug: ai-editor-serier-03
status: draft
theme: シナリオ YAML → 7ステージの自動記事生成フロー。
title: AI編集者開発のリアル(3) 下書きをAIに任せる:LLM多段階記事生成パイプラインの使い方
---
手動で毎回これを書く必要がなくなります。スラッグの命名規則も自動で統一され、番号の振り間違いも起きません。
前回リンクの自動挿入
連載記事では冒頭に前回記事への blogcard を入れるのが慣例です。これも自動化しています。
こんにちは、パレイド思想部です。
前回は〇〇を紹介しました。
[blogcard](https://pareido.jp/slug/)
YAML の articles 配列の順番から前回のスラッグを自動解決し、blogcard のURLを生成します。第1回だけは前回リンクなしで、代わりに連載の導入文が入ります。
連載の追加・順番変更
連載の途中に新しい回を挿入したい場合、YAML の articles に要素を追加するだけです。
articles:
- number: 5
title: "サムネイルの手間をゼロに"
theme: ...
# ↓ ここに挿入
- number: 5.5
title: "連載を YAML で設計する"
theme: ...
slug_override: ai-editor-serier-06 # スラッグは手動指定も可
- number: 6
title: "GA4連携とLLMスコアリング"
theme: ...
再生成すると、番号とリンクが自動で更新されます。既に公開済みの記事は status: publish のためスキップされ、上書きされません。
複数連載の並行管理
当サイトでは複数の連載を同時に管理しています。
blog/plan/
├── 2026_02_AI編集者/series.yaml
├── 2026_02_ToDo管理/series.yaml
└── 2026_02_WordPress同期/series.yaml
それぞれの連載 YAML が独立しているため、互いに干渉しません。CLI で特定の連載だけ生成したり、全連載を一括で状態確認したりできます。
# 特定の連載の記事を生成
python -m publish generate --series blog/plan/2026_02_AI編集者/series.yaml
# 全連載の進捗確認
python -m publish review --checkers series
LLM 記事生成との連携
連載 YAML は記事の「枠」を作るだけです。本文の生成は第3回で紹介した LLM パイプラインが担います。
series.yaml → MD ファイル生成(フロントマター + 骨格)
↓
LLM パイプライン(Step 2〜7 で本文を生成)
↓
レビュー → 編集 → WordPress 同期
つまり、連載の企画(何を書くか)と記事の執筆(どう書くか)が分離されています。企画は YAML で人間が設計し、執筆は AI が担当する——この役割分担がワークフロー全体の効率を支えています。
| 項目 | ビフォー | アフター |
|---|---|---|
| フロントマター | 毎回手書き | YAML から自動継承 |
| 前回リンク | 手動でURL確認・貼付 | 自動生成 |
| 番号管理 | 目視で確認 | YAML の配列順で自動 |
| 連載の見通し | 記事ファイルを1つずつ開く | YAML 1ファイルで一覧 |
まとめ
連載の「企画」と「執筆」を分離し、企画を構造化データ(YAML)で管理する。これにより、連載が増えても管理コストが線形に増えず、一貫性も保たれます。
次回予告: 第7回は「連載 YAML そのものをどう作るか」を取り上げます。プロジェクトフォルダのソースコードを LLM にスキャンさせ、連載企画を自動生成するプロジェクトスキャナーの仕組みを解説します。



