こんにちは、パレイド思想部の梨本です。
本記事は LLM による自動執筆パイプラインで生成されました。現在は人間が補助していますが、pareido.jp では最終的に AI が自律的にコンテンツを制作できる仕組みの構築を目指しています。
前回までの連載では、pareido.jp という媒体そのものを AI に託していく過程を書いてきました。staging を立て、テーマを切り替え、編集者のペルソナをサイトの前面に出し、最終回では「託せた範囲と、保留した範囲」を分節しました。
今回からは少し角度を変えます。媒体を託す話ではなく、託した結果として「自分たちがいま、どこまで AI に任せられているのか」を、測れる形にしてみたい。思想部がずっと前提に置いてきた「人間ができることを AI に任せる」という思想そのものを、観測の対象に乗せる連載です。
なぜ「測る」必要が出てきたのか
正直に言えば、これまで AI の活用は「手伝ってもらった」という素朴な肌感覚に留まっていました。記事の構成案を作らせた、コードの骨子を書かせた——その積み重ねはあるのですが、全体のなかでそれがどれくらいの割合を占めているのかを、明確に数えたことがありませんでした。
肌感覚には、ふたつの弱点があるように感じます。ひとつは、慣れると過大評価しやすいこと。毎日 AI に触れていると「だいぶ任せられている」気がしてくるのですが、その実、最後の仕上げは全部こちらの手作業だった、ということがよくあります。もうひとつは、後退に気づけないこと。たとえば 2026 年の 4 月と 5 月、自動執筆のパイプラインは事実上止まっていました。ローカルからの寄与はニュース記事のサマリを上位層に提供する働きに限定されています。感覚だけで運営していると、こうした意図しない「静かな後退」が記録に残らず、なかったことになってしまう。
「AI に任せている」感覚は、進んでいる証拠にも、止まっていることへの目隠しにもなる。
だからこそ、感覚を一度こじ開けて、「どの工程を、誰が、どれだけ担っているのか」を分解したい。見方を変えると、これは AI の性能を測る話ではなく、自分がどこを手放し、どこを握り続けているのかという、自己観察に近い作業なのだと思います。
人間を頂点に、AI を裾野に置くピラミッド
そこで持ち込むのが、制作プロセスを三段のピラミッドで捉え直す見立てです。頂点に人間、その下にクラウド AI、いちばん広い裾野にローカル LLM を置きます。各層の大きさは「誰がどれだけ書いたか」という寄与の量を表します。

このピラミッドは、記事本文・コード・画像・動画・音声といったモダリティ(表現形式)ごとに、それぞれ別の形で立ち上がります。記事では裾野が薄くても、コードでは厚いかもしれない。あるいは画像はまだ頂点しか存在しないかもしれない。それらを一枚のレーダーチャートに重ねれば、自分の媒体運営の「いびつさ」が俯瞰できるはずです。理想は、裾野が広く安定した、低く大きなピラミッド。逆に、頂点ばかりが尖って裾野が痩せている形は、AI に任せたつもりで実はほとんど自分で抱えている状態を意味します。
この見立てに、ふたつの長期目標を結びつけました。
- 総面積の最大化: 全層・全モダリティの寄与を合計し、「何人分の成果に相当するか」へ換算する。個人がどこまで組織として機能する規模に届いているかを測る軸です。
- 裾野比率の向上: AI、とりわけローカル LLM の構成比を意図的に厚くしていく。人間の手直しという頂点は最後まで残しつつ、その面積を最小化し、握っていた作業を少しずつ裾野へ下ろしていく方向です。
このふたつは、片方だけでは足りないと感じています。総面積を増やすだけなら、人間が頂点で頑張れば一見達成できてしまう。けれどそれは思想部が目指す姿ではありません。裾野へ移しながら全体を大きくする——その両立を見張るために、目標を二本立てにしました。
なぜ裾野を、クラウドではなくローカル LLM に厚みを持たせたいのか。ここには思想部なりの理由があります。クラウド AI は強力ですが、外部のサービスに依存している以上、料金や提供方針が変われば、いつでも手元から消えうるものです。一方でローカル LLM は、性能こそ譲るとしても、自分の機械のなかで動き続けます。裾野が外部に預けたものばかりだと、土台ごと崩れる危うさがある。だからこそ、いちばん広い面積を、自分の手元で回り続けるものに置いておきたい。これは効率の話というより、自律をどこに担保するかという選び取りなのだと思います。
計測の対象に、この記事自身を含める
では、寄与の量をどう数えるのか。記事については、本文を三つのスナップショットで保存する仕組みに切り替えました。
- S1: パイプライン(ローカル LLM)が書いた初稿。必ず保全する。
- S2: クラウド AI が編集を加えた、公開直前のローカル最終版。
- S3: 人間が仕上げて WordPress に公開した版。
S1→S2→S3 の本文差分を文字数で測れば、ローカル・クラウド・人間それぞれの寄与(L/C/H)が一応の数値として出てきます。差分という荒い物差しではあるのですが、「誰がどの段階で文章を動かしたか」を後から追えるようになる意味は小さくないと感じます。この設計に合わせて、2026 年 6 月からは「初稿は必ずパイプラインに書かせ、S1 を保全してから人が触る」という起草のルールに変えました。これまでのように、いきなり人間が白紙から書き始めることをやめた、ということです。
そして、いま読まれているこの記事自身が、その新しいルールで書かれる最初の被計測記事です。初稿はローカルモデルが書きました。それをクラウド AI が——つまりこの段落を整えているのもクラウド側ですが——編集し、最後に人間が手を入れて公開します。観測の枠組みを作る回の本人を、真っ先に観測台に乗せる。ドッグフーディングとしては、これ以上ない題材だと思います。
そして公開後、この記事自身の数値が出ました。ローカル LLM が 2,798 字、クラウド AI が 2,566 字、人間が 116 字。合計の面積はおよそ 5,480 字で、比率にすればローカル 51%・クラウド 47%・人間 2% です。初稿の量をローカルが担い、クラウドがほぼ全面的に整え、人間が手を入れたのはわずか 2% にとどまりました。——もっとも、この「2%」をどう読むかは、見かけほど単純ではない気がしています。その話は次回にゆずります。自分たちのプロセスを、感覚ではなくデータとして外に出す。その最初の一歩が、ようやく具体的な数字になりました。
ここまでは、まだ地図を描いただけです。ピラミッドも、ふたつの長期目標も、計測のルールも、実際に何かを測った結果ではありません。次回は、いよいよ記事のピラミッドを実際に測りにいきます。そこで最初に向き合うことになるのは、おそらく華々しい成果ではなく、4 月・5 月のローカル寄与がほとんど無かったという、正直あまり見栄えのしない事実のほうです。止まっていた期間を、成長の物語からどう扱うか。測るとは、都合のいい数字だけを拾う作業ではないはずで、その手前で一度立ち止まってみたいと思います。