前回のカリキュレータボードに続いて、今回は起動直後の選択画面に並ぶ3枚のうち2枚目、メッセージボードです。
本記事はローカル LLM による自動執筆パイプラインで生成されました。現段階ではクラウド AI(Claude 等)の補助や人間の編集が介在していますが、pareido.jp では最終的に AI が自律的にコンテンツを制作できる仕組みの構築を目指しています。
前回(第3回・カリキュレータボード編)はこちらです。
AI導入で使い道は増えるか
入力した文字をそのまま表示し続ける伝言板と、簡単なグラフィック編集がひとまとまりになった機能。これまでファミリーベーシック系の記事ではずっと素通りしてきた画面でもあります。理由はシンプルで、どう使っていいかがわからないためです。
説明書によると「パパ・ママへの伝言」「おこずかい帳」といった用途が紹介されていますが、実用性はなかなか難しい。V3ではカットされている理由もわからなくはありません。
やったことは単純です。この伝言板の入力欄に、実機のキーボード入力を自動で送り込む仕組みを作りました。第3回の電卓で使った自動入力をそのまま流用しています。そのうえで、何を流すかで少し欲を出しました。
Wikipediaの「ファミリーベーシック」の記述をAIに要約させ、伝言板が扱える文字種と字数に合わせて打ち込ませています。ROMもメモリも書き換えていません。表示しているのは1984年のROMで、AIはキーボードを叩く手の代わりです。
238文字と電池、伝言板の輪郭
デジタルサイネージ。今で言えばそんな存在でしょうか。メッセージボードは、入力した内容をただそのまま表示し続けるだけの機能です。実機で確かめた条件は、次のとおりです。
| 項目 | 仕様・実測 | 実験での扱い |
|---|---|---|
| 表示文字数 | 238文字まで | 1本のメッセージを238文字に収める |
| 文字種 | カタカナと大文字アルファベット | 英数字混じりのURLはそのまま通る |
| 保存 | カートリッジ内の電池によるバックアップのみ | 電池が切れれば消える |
| 入力 | 実機のキーボード入力を自動送出 | ROMやメモリを直接書き換えてはいない |
| 表示演出 | 羽ペンのカーソル。入力はゆっくり進む | 演出速度はそのまま利用 |
238文字と電池。この二つが伝言板の輪郭です。長い文章は入らず、電源を抜けば内容は電池頼みで残ります。漢字も小文字も句読点も使えないため、単語の切れ目は半角の空白で表すしかありません。
第1回で扱ったAIチャットが1枠108文字だったのに対し、こちらは238文字です。倍以上とはいえ、句読点を使えない分だけ画面は詰まって見えます。当時これをどう使えばいいのか分からなかった、というのが正直な感想でした。
なお、メッセージボードにはドット絵を置ける簡単なグラフィック編集も同居していますが、今回触ったのは文字の入力欄だけです。絵の側は自動入力の対象にしていません。
Wikipediaの要約を、カタカナで流し込む
要約を任せる側から見ると、これは条件が二重にかかった仕事です。「カタカナと大文字英数字だけで書く」「238文字に収める」の両方を守らせる必要があります。実際に打ち込まれた1本目が、これです。
ファミリーベーシックハ 1984ネン6ガツ21ニチニ ニンテンドウカラ ハツバイサレマシタ ファミリーコンピュータノ カクチョウタンシニ キーボードヲ ツナギ BASICゲンゴデ プログラミングガ デキマス
読みにくいものの、書いてある中身は真面目な製品解説です。1984年6月21日という発売日は、任天堂の公式サイトの記載と一致します。続く1本では、ハドソンのHU-BASICを土台に任天堂とシャープが加わった3社共同開発である、呼び名はNS-HU BASICだ、というところまで入りました。文字種の制限を課しても、要約はきちんとこなしてくれました。漢字かな交じりの原文をカタカナに開かせるので固有名詞が潰れることを心配していましたが、HU-BASICやNS-HU BASICのような英数字混じりの語は、そのままの綴りで通っています。
想定していなかった見え方もありました。終盤の1本が、こうなります。
1985ネン ハツバイノ V3デハ ゲームベーシックニ トッカシ デンタクヤ デンゴンバンハ ハイシサレマシタ メモリモ 1982バイトカラ 4086バイトニ カクチョウ レトロナ AIト NESノ ジッケンハ PAREIDO.JPデ コウカイチュウデス
前半のV3の仕様は史実で、後半のURLはこちらが要約の材料に足した告知です。画面の上では、この二つが同じカタカナ、同じ速度で地続きに並びます。伝言板は打ち込まれた内容が40年前のものかどうかを問いません。238文字に収まりさえすれば、そのまま表示し続けるだけです。
読むためではなく、打ち込まれていく様子を眺める
ここまで書いておいて何ですが、表示された文章を読む道具としては、この機能は弱いです。カタカナだけの238文字は目が滑りますし、URLはクリックできず「いいね」も押せません。情報端末としての実用性は、正直ありません。
引き立つのは、表示された結果ではなく、入力されていく過程のほうでした。羽ペンのカーソルが一文字ずつ進み、1本の238文字が打ち終わるまでに48秒ほどかかります。次の1本は55秒あたりから、その次は95秒から。40秒から50秒に1本のペースで、画面が書き換わっていきます。軽快ながら作業を邪魔しないシンプルなBGMも癖になります。カートリッジの電池でバックアップされるので打ち終わった1本はそのまま残りますが、見ていて飽きないのは、残った文字より次の1本が刻まれていく時間のほうでした。
この遅さが、ニュース番組の下に流れるティッカー(画面端を流れる文字の帯)とちょうど同じあたりに落ちます。読み切ろうとすると遅すぎるのに、眺めるぶんにはちょうどいい。しかも材料はAIが要約するので、Wikipediaの更新でもその日の見出しでも、差し替えれば伝言板の中身は今日のものになります。40年前の伝言板が、いちばん新しい情報が打ち込まれていく画面として動くわけです。
この機能の使いどころは、そこだと考えています。羽ペンがゆっくり文字を刻んでいく画面に優しいBGMが乗ると、なんだかぼーっと見つめてしまいます。読ませる装置としては238文字の制限も48秒の入力速度も足りませんが、部屋の隅で今日の話題を打ち続ける置物として見れば、その遅さのほうが本体です。こんなガジェットが手元にあったら、物欲を刺激されそうです。
3枚のうち2枚目が終わりました。次回は最後のミュージックボードで、五線譜の上にAIが音符を置いていきます。