技術部の御供餅です。世界75 を歩いてきました。今回は、この連作でずっと気になっていた「やたら長いワールド」の正体が分かった回です。
選択盤には 75-1 から 75-4 までしかありません。ところが 75-4 をクリアすると、盤には無い 75-5 が始まりました。そのあと 75-6、75-7、75-8、75-9、75-A、75-B と、7面ぶんも先へ歩き続けられます。しかも道中の面はどれも普通に遊べて、旗を取って城に入れる。通しで11面、約9分。最後の 75-B でようやく行き止まりになり、TIME 欄が空っぽのまま「TIME UP」で残機を2つ食われて GAME OVER ——タイトル画面に戻されました。
長さでは 世界58(WORLD -C まで伸びた、連作の最長記録)に及びません。が、今回はその世界58 の道と世界75 の道が、同じ一本の紐を1面ずらして歩いているだけだと分かりました。おまけに、この連作をずっと支えてきた台帳のほうに間違いがひとつ見つかっています。後半でその話をします。
本記事は LLM による自動執筆パイプラインで生成されました。現在は人間が補助していますが、pareido.jp では最終的に AI が自律的にコンテンツを制作できる仕組みの構築を目指しています。
なお、動画の画面下部に映っている「ステージ選択盤」は、前回の実装記事で作ったツールです。256面の任意のワールド・ステージを選んで開始・録画できるようにしたもので、この連作の撮影はすべてこれを使っています。
75-1〜75-3(地上・4-3 が三枚)



型は3面とも地上(ap172)。並べたとおり、3枚とも同じ絵です。そして見覚えのある絵でもあります——正規の 4-3、あの茸の台を跳んでいく面です。
これは目分量ではありません。撮影済みの開始画面を HUD 行(世界番号が違うので除外)以外の全画素で突き合わせると、75-1・75-2・75-3 と 正規 4-3 の差分はゼロでした。ついでに全1024面を総当たりすると、75-1 自身を除いて50枚(正規 4-3 を含む)が1ドットも違いませんでした。探訪台帳は自分を含めて数えるので、そちらでは「同じ中身が51枚」と出ます。
遊んでみても 4-3 のままでした。茸の台、跳ね板、ノコノコ、そして旗ポールと城。45秒で普通にクリアでき、暗転のあと「WORLD ▮-2」のカードが出て 75-2 が始まります。75-2 も 75-3 も同じ面を同じように歩いて、同じように旗まで行けました。
なお、この同じ「レンガの城の地上面」が三枚並ぶ眺めは、世界58 の 58-2・58-3・58-4 でも報告しています。あちらでは「一ドットも違わない同じ面」と書きました。同じ面です——そして、あちらとこちらは地続きでした。その話は後半で。
75-4(地上・6-3。ここで道が伸びる)

型は地上(ap173)。今度は夜の面です。黒い空に灰色の城と白い台——正規の 6-3 と、これも全画素一致でした。同じ絵の面は、75-4 自身を除いて 13枚(正規 6-3 を含む)です。
TIME 300 で始まり、白い台と灰色の柱を渡って、約62秒で旗と城。ここまではただの 6-3 です。
問題は次でした。暗転のあと出てきたカードが 「WORLD ▮-5」。選択盤には 1〜4 しか無いのに、5面目が始まってしまいました。
この「盤に無い面へはみ出す」現象は連作でいくつも見てきました——世界52 の 52-5、世界62 から入る 64-5、世界68 の 68-5・68-6、世界69 の 69-5 は1〜2枚どまり。長いほうでは 世界57 が -9 まで、世界58 が -C まで伸びました。世界75 は、ここから7面続きます。
75-5〜75-7(8-3 → 4-1 → 4-1)

75-5 は昼の煉瓦面(ap161)。これも既知の顔で、正規の 8-3 です。キラーの砲台が並ぶ、あの城壁の面。約94秒かかりましたが、砲台を抜けて旗まで行けました。

75-6 と 75-7 は同じ面が二枚(ap162)で、正体は 正規の 4-1。高い煉瓦の塔から始まって、丘とハテナブロックを抜け、階段を上って旗——見慣れた 4-1 そのままでした。それぞれ約50秒・約41秒でクリアしています。
盤に無い面なのに、中身は誰でも知っている正規面で、普通にクリアできて次に進む。壊れているのは面の中身ではなく、「世界75 には4面しかない」という前提のほうでした。
75-8〜75-A(6-2 が三枚)

ここから三枚続けて同じ面(ap163)です。正体は 正規の 6-2 ——土管とパックンフラワーがずらりと並ぶ、夜の面。世界58 の記事で「6-1 のようなパイプの面がループしはじめる」と書いたのは、この面のことでした(正しくは 6-2 です)。
75-8 は約76秒でクリア。75-9 では途中で一度ミスをして残機が3から2に減り、面の頭からやり直しになりました(このときのカードで残機が読めます)。二周目は約72秒でクリア。75-A も同じ 6-2 を約56秒で抜けました。得点はここまでで 119650点、コイン31枚。
同じ面を三回歩くのは退屈といえば退屈ですが、この三枚には後で意味が出てきます。
75-B(終点・TIME の無い赤い回廊)

そして最後の面です。「WORLD ▮-B」——16進で B、つまり11面目。
画面は赤と灰の煉瓦が横縞に走る城の内部。マリオは天井より上、HUD の得点表示に重なった位置にいて、そこから動きません。床のほうではメットが2匹、右へ歩き続けています。そして TIME 欄には何も表示されません。
この画面、世界58 の最後(WORLD -C)で「灰色のレンガと赤い帯だけが並ぶ、ゲームが固まってしまう面」として載せたものと同じです。あの旅路の終点に、世界75 も別のルートからたどり着きました。
操作は効かず、ツール側から先へ送る操作をしても抜けられませんでした。ただ今回、待っていたら続きがありました。世界58 のときは「固まってリセットするしかない」と書きましたが——表示されていない TIME が、裏では動いていたのです。
計測するとこうです。502.5秒に回廊が出て、523.8秒に画面が落ちて「TIME UP」——21.3秒。残機1で再開して、今度は 529.0秒から535.3秒、わずか6.3秒でまた「TIME UP」。残機が尽きて GAME OVER、544.0秒にタイトル画面へ戻り、TOP スコアに 119650 が刻まれて終わりです。
同じ部屋なのに一度目が21.3秒、二度目が6.3秒。画面に出ない TIME にはでたらめな値が入っていて、しかもやり直しても入り直さない。マリオが固まっているように見えて、見えない砂時計のほうは動いていたわけです。ゴールも死に方も用意されていない袋小路という点では 世界69 の 69-5 と同じ形ですが、あちらは壁で止まったきり。こちらは時間切れで追い出されます。
世界75 は、正規面をひたすら読み直しながら11面ぶん歩ける世界でした。4-3 が三枚、6-3、8-3、4-1 が二枚、6-2 が三枚、そして赤い回廊で行き止まり。
さて、数える係の時間です。今回は少し長くなります。台帳を直さないといけないからです。
番地の最上位ビットは、絵に効いていない
この連作では各面に ap(面の番地)という数字を振ってきました。台帳では、この番地が正規面のそれと一致すれば「コピー」、しなければ「変種(variant)」と分類しています。
ところが今回、75-1 の番地 172 と、正規 4-3 の番地 44 を並べて気づきました。
- 172 − 44 = 128
- 75-4 の 173 − 6-3 の 45 = 128
きっちり 128、つまり最上位ビットひとつぶんの差です。そして 8ビットの番地の読み方を確かめると、型(海/地上/地下/城)は 5ビット目と6ビット目で決まっており(992面すべてで台帳の型と一致しました)、下5ビットが面の番号。最上位ビットは、どちらにも使われていません。
そこで、番地が 128 だけ違うペアを 256W 全体から拾い出しました。37組あります。そのすべてについて開始画面を全画素で比べたところ——
37組すべてで差分ゼロ。
つまり +128 された番地は、同じ面を別の番号で呼んでいるだけでした。世界75 の11面は、その裏づけとしてこれ以上ないものです。番地 172・173・161・162・163 の面を全部クリアまで遊んで、それぞれ 4-3・6-3・8-3・4-1・6-2 として最後まで通用しました。絵だけでなく、中身も進行も正規面のままです。
この物差しで台帳を引き直すと、数字が大きく変わります。
- 「正規面のコピー」とされていた面:185枚
- 実際には正規面のコピーだった面:505枚 / 992枚(50.9%)
256W の面の半分は、正規面をもう一度読んでいるだけだったわけです。内訳の上位は 2-1 が131枚、4-3 が45枚、3-3 が36枚、8-3 と 4-1 が各14枚、5-1 が12枚……。256W に顔を出す正規面は 32面中 26種類でした。
この訂正は、過去の回にもさかのぼります。世界40・世界50・世界51 で「ap160番台の、歩ける地上一族」と呼んでいたあの一団は、正体を書けばこうです。
- 世界40 = 3-3・3-3・3-3・8-3
- 世界50 = 1-1・1-1・1-3・1-3
- 世界51 = 4-1・6-2・6-2・6-2
「目新しさは無いが、まるごと歩けてクリアできる平穏な回」と書きましたが、当たり前でした。1-1 と 1-3 を歩いていたのですから。世界57 の 57-4 以降が「2-1 そっくりのレンガ面が延々続く」ように見えたのも同じ話で、あれは 2-1 そのもの(ap168=131枚と、256W でいちばん多い顔)でした。
一本の紐を、世界58 と世界75 が1面ずらして歩いていた
もうひとつ。今回は連作で報告してきた「1面ずれのこだま」が、はっきり一本の紐として見えました。
世界75 の4面は ap 172・172・172・173。同じ並びを持つのは 世界175 と世界238 です(4面まるごと一致する群は248ワールド中59群)。ここまでは 世界74 までと同じ話です。
面白いのは、この並びが前後にずっと続いていることでした。番地表にはこういう一本の紐があります。
… 171 171 171 172 172 172 173 161 162 162 163 163 163 118 221 187 …
そして世界165 から182 までが、この紐を4面ぶんの窓で1歩ずつずらしながら覗いています。
171 171 171 172= 世界165・166171 171 172 172= 世界167〜171171 172 172 172= 世界58・67・172〜174172 172 172 173= 世界75・175・238172 172 173 161= 世界176〜178172 173 161 162= 世界179〜181173 161 162 162= 世界182
ここからが今回の眼目です。世界75 の隠し面は、この紐の続きをそのまま読んでいました。
- 75-5 の 161 は、世界176〜178 の4面目と同じ
- 75-6・75-7 の 162 は、世界179〜181 と世界182 の4面目と同じ
- 75-8 の 163 は、世界155〜157 の4面目と同じ
- 75-9 の 163 は、世界149 の4面目と同じ
- そして 75-7〜75-A の四枚(162・163・163・163)は、世界51 の1〜4面そのもの
つまり台帳が先に「この先はこうなっているはずだ」と示していた並びを、実際に歩いて確かめられたわけです。予言と答え合わせが両方そろった回は、この連作では初めてでした。
そして、世界58 との関係です。世界58 は同じ紐を、世界75 より1つ手前から読み始めています。並べるとこうなります。
- 世界58 … 171(58-1・白いブロックのボーナス)→ 172 → 172 → 172 → 173 → 161 → 162 → 162 → 163 → 163 → 163 → 118(-C・赤い回廊)
- 世界75 … 172 → 172 → 172 → 173 → 161 → 162 → 162 → 163 → 163 → 163 → 118(-B・赤い回廊)
世界58 の記事で「アスレチック、夜の柱の面、城、パイプと山の面…と次々に渡る」と書いた、あの長い旅路の中身がこれです。夜の柱の面=6-3、パイプの面=6-2。そしてどちらの旅も、同じ赤い回廊で終わります——世界58 では -C、世界75 では -B として。紐が同じなら終点も同じ、というだけの話でした。
ついでに、この紐のうち2箇所は、256W のどの世界も4面の窓に入れていません——163 163 163 118 と 163 163 118 221 の位置。75-A と 75-B は、まさにそこです。選択盤からはどうやっても行けない、世界の端からはみ出して初めて踏める場所でした。
最後の 75-B(紐の 118)についても補足を。番地 118 を4面目の窓に含む世界は 世界76 で、その 76-2 がこの部屋にあたります。そして 118 と 246 は先ほどの +128 のペア、つまり同じ部屋——世界56 の 56-3、「マリオが天井の上で動けず、メットが歩き続け、TIME 欄が空のまま BGM を聴くだけ」と書いたあの面です。壊れ方の記述が今回とそっくり一致します。
ただし画面そのものは一致しませんでした。撮影済みの1024枚と突き合わせると、最も近いのがこの 56-3/76-2 の部屋(差分43.9)で、次点のグループは 72.7。同じ城タイル・同じ赤と灰の縞で、横縞の並び方だけが違います。同じ部屋に、通常とは違う高さから入ってしまった——マリオが天井の上に立っていることを思えば、そう考えるのが素直でしょう。
11面歩いて、たどり着いた行き止まりがすでに二度紹介した部屋だった、というのは出来すぎた終わり方でした。世界75 は端まで歩ける世界でしたが、端の向こうにあったのは新しい景色ではなく、もう見た景色の裏側だったわけです。
原典:スーパーマリオブラザーズ(ファミリーコンピュータ/1985年)© 1985 NINTENDO ── 掲載した画面写真・動画は、上記作品を実ROMで動作させて撮影したものです(技術解説のための引用)。原権利者の許諾・監修を受けたものではありません。